「っ、は…ぁ、…っ…ん……ぃ…っぅ……」 意味の無い音。 体を突き上げる動きに合わせて、掠れた声が落ちる。 この体を――衛宮士郎を組み敷いてから、どれぐらいの時間が経ったのか。 貫いた後孔は赤く腫れ、なかは、ぐずぐず。 奥に何度も注ぎ、掻き回した。 その度に、嫌だと、もうやめてくれと懇願してきて。 それに苛立ちが募り、体の最奥で吐き出して。 それでもなお、硬度を保つ己の中心に、内心で自嘲しながらも、 引き抜かずにそのまま体を揺さぶれば。 士郎の顔が、くしゃりと歪む。 固く目を閉じ、唇を震わせて。 快楽に融ける体を、心を、嫌悪するように小さく頭を振る。 たった一度でも、受け入れる言葉を吐けば、許そうと思っていた。 だが、士郎は拒絶の言葉だけを繰り返す。 さっさと堕ちてしまえばいいものを。 初めは声を堪え、声をあげたかと思えば拒絶。 そして今は声は嗄れて、耳に届くのは小さな喘ぎだけ。 「……強情な、ものだな。」 呆れたように言って、腰を強く打ち付ける。 ぐちゅん、という音と、 「ひ…っ!ぃ、ん…ァ…っ」 士郎の喉から零れた音は、同時。 ぎゅ、と閉じられた瞼の端から、大粒の涙が零れる。 我ながら、最低だと思うが。 それで自身の熱は、さらに体積を増した。 ずる、と絡みつく士郎のなかから、自身を引き抜き、 向かい合わせだったその体を四つん這いにさせる。 脱力している体。 腰を強引に上げさせて。 「…っ、ゃ……」 制止する士郎の声を無視して、再び貫いた。 「ァ…、――ちゃ……っ」 縋るように名を呼ぶ声。 それに応えることはせず、乱暴に突き上げる。 どれだけ嫌だと拒んだ所で、士郎の内部は従順に受け入れ、 悦んでいるかのように、甘く締め付けてくる。 「…は、嫌だ、止めろとよく言えたものだ。」 体を倒し、士郎の耳を舐りながら、そう囁き、 硬く張り詰め、先端から雫を零す士郎の中心を掴んでやれば、 大きく目を見開いた士郎は、唇を噛み締め、シーツに顔を埋めて、隠した。 どくどくと脈打つ士郎の熱に手を滑らせる。 既に何度も達しているそこは濡れそぼっていて、 先端を、ぐり、と指先で強く擦れば、じわ、と腺液が溢れ、士郎の腰は跳ねる。 合わせる様に腰を揺らせば、実に可愛らしい声を上げて。 直後、恥じるように奥歯を噛み締める音が聞こえた。 「そら、もっと、啼いてみせろ。」 「っ」 羞恥を煽るように言えば、士郎は目線だけをこちらに向けてきた。 その瞳には、いまだ強い意思の光が見えて。 ぞく、と背筋を何かが走る。 恐らく今、自分は酷く醜い笑みを浮かべているだろう。 エミヤシロウにだけは屈さない、という意思。 上等だ。この男にだけは、手加減など初めから必要無かった。 そう認識した後。 言葉はもう交わさず。 何度、その体を犯したのか、自分自身、もはや覚えていない。 ぐったりと横たわる士郎を見つめる。 結局、士郎が完全に意識を手放すまで、犯し続けた。 意識を失った後も、その体をしばらく貪った。 全身、体液に塗れ、赤い鬱血の痕を散らし、頬には涙の痕。 目尻は赤く腫れている。 弱々しい呼吸に揺れる体。 そんな様をじっと見つめてようやく、 人並みな感情が自身の中に溢れるのを感じた。 手を伸ばし、そっと士郎の髪に触れる。 頭を優しく撫でる。 手を滑らせて頬を、唇に指をあて、なぞる。 僅かな呼気が指を掠めて、 その唇に軽く押し付けるだけの、口づけを落とした。 「……士郎…」 その名を呼んだ自分の声も、酷く、嗄れていた。 士郎の嗄れた声もいいだろうけど、弓の嗄れた声も色気あるだろうな。 鬼畜になりきれない弓。 たぶん、苛立つことがあって、弓が士郎に八つ当たりしたんだと(酷ぇ) 我にかえってみたら、ちょっと士郎が可哀相に思えてきて、弓反省。 でも士郎が目覚めると、その反省も見せない。 そうなると、士郎にとっては鬼畜だよねと、そんなネタです。 士郎視点