「あーもう、二人とも出て行け。 アーチャー、先に挑発したのはお前なんだから、きっちり責任とってこい。」 手を振り追い出す俺を、複雑そうな顔で見るアーチャーとランサー。 だが、一つ溜息をつくと。 「どうせヒマなんだろ。一戦つきあえや。」 ランサーがそう声をかけて出て行き。 アーチャーも黙ってそれに続こうとして。 「うっかり倒したとか倒されたとかは、勘弁しろよ。」 しっかり言っておく。 アーチャーは何を思ったのか、ふっと微かな笑みをみせて、出て行った。 入れ替わるように。 「雑種!疾く用意せよと、言っているであろう!」 ついに痺れを切らしたのか、ギルガメッシュ登場。 「俺もいつも言ってるだろ。待てないなら手伝えって。」 負けじと俺も言い返す。 「無礼な。王である我にその様な真似をさせるつもりか、雑種。」 わかりやすく怒るギルガメッシュ。 ああ、こいつも本当に、昔から変わらないよなぁなどといっそ、感慨深くなる。 「あとは盛り付けて運ぶだけだ。手を貸してはいただけませんか、王様?」 俺が少し、低姿勢でそう言ってみると。 「む。贋作者と雑兵は。」 「外に遊びに行った。」 「…使えぬ奴らめ。良い。特別に我が手伝ってやろう。」 ぶつぶつといいながらも今日はわりと機嫌がいいらしいギルガメッシュは、 運ぶのを手伝ってくれた。さっきは変わらないと思ったが、 少しは変わっているのかもしれない。 俺は自然と笑みが浮かんだのを感じた。 うん。こういう生活は悪くない。 男ばっかりなのとか、時々本気で相手を倒そうとする殺伐さだとか、 問題はまぁ、あるんだろうけど。 時がくれば人間でない三人は、何も残さず消えていく存在だ。 ならば、その時が訪れるまで。 少しでも強く俺の記憶に刻んで、残ってくれればいい。 そんなことを思いながら、俺は食事の盛り付けを再開させた。 そうして、俺の日常は、廻り続ける。 エピローグ2へ