「くっ、ははっ!嬢ちゃん最高だ!いい女だぜ。 アンタみたいなのがマスターなら、文句は無かったんだがなぁ!」 ランサーが手放しで褒める。それに対し、遠坂は、 褒めたって何も出ないわよ、と素っ気無く言っているが、満更でもなさそうだ。 「坊主だって、そう思うよな?」 いきなりランサーが俺に話をふってくるが。 「そんなこと、今更だ。 遠坂がいい女だってことは、とっくに知ってる。」 なんてことはない。常々思っていることなので、俺は自然にそう答えた。 …ん? 「遠坂?顔、赤いぞ。」 「っうるさいっ!この馬鹿!」 怒鳴られた。どうしたんだろう、遠坂。 ランサーは可笑しそうに肩を震わせて笑っているし。 「…で、結局、士郎はどうなのよ。」 遠坂が訊いてくる。ああ、手を貸してくれるとかいう話だったな。 「俺も賛成だ。文句は無い。」 そう答えた俺に。 「んじゃ、決まりだな。」 言って手を差し出してくるランサー。 俺も手をだして、軽く、握手。 これで、キャスター陣営をどうにかするまでの間の休戦協定成立。 じゃあ、帰って作戦でも練るかと、 アインツベルンの城を出て、森の中を歩く。 しばらくランサーは、遠坂をからかって遊んでいたが、 遠坂がついにキレて、ずんずんと先に歩いていった。 肩をすくめたランサーが、俺の隣に並ぶ。 「…良かったな、ランサー。」 徐に、俺がそう言えば。 「何のことだ。」 とぼけるランサー。 「は。お前、結局はアーチャーの奴と本気で闘えるから、俺たちについたんだろう? やっと、願いが叶うじゃないか。」 5へ続く