言峰士郎の聖杯戦争 2月12日 2





当然のように、断る、とだけ告げれば。 慎二はまた癇癪をおこし、 「なら、ここで死ねよ。」 俺にそう言って、ギルガメッシュに俺を殺すよう、命じている。 ギルガメッシュは、マスターの指示に従うかのように腕を上げ。 俺は目を逸らさず睨み付け。 そこで、遠坂の助けが入った。 その後、慎二は遠坂にまで、俺にしたような提案をし、 遠坂にばっさり断られ。 結局、ギルガメッシュが、バーサーカーのマスターが目覚めるとやっかいだ、 などといい、慎二を促し、捨て台詞を吐いて慎二は退場。 ギルガメッシュも悠然と立ち去ったのだった。 遠坂と二人になって。 俺とギルガメッシュの関係を知らない遠坂に、俺はきっちり叱られた。 奴との関係を言っていない負い目があるので、俺はそれを甘んじて受け。 で、どうするかという話になった時。 「随分、苦労してるようじゃねぇか、坊主」 場に似つかわしくない、第三者の気楽そうな声。 「っランサー…!」 遠坂がすぐに臨戦態勢に入る。 どうやら遠坂は、ランサーと一戦交えたことがあるようだ。 そういえば、いつだったか。 いつものように、ランサーが偵察から戻ってきたときに、 今日はなかなか闘いがいがあったと、満足そうにしていた時があった。 あれがセイバーと一戦した時だったのかもしれない。 緊張する遠坂とは逆に、俺は気のない風にランサーをみやって。 「あんたは相変わらずだな。」 そう声をかける。 遠坂が、ランサーと俺を交互に見て、眉をひそめた。 「ちょっと士郎。どういうことか、ちゃんと説明しなさい。  もしかしてあんた達、すでに協定でも結んでるの?」 問いかけてくる遠坂。 嘘はつきたくはない。が。話すわけにもいかない。 俺と綺礼は、相互不可侵。やることに口は挟まない。味方でも敵でもない。 ―で、結局、そんなところだと曖昧に答えて。 信じられないというように睨んでくる遠坂に。 「今はそれで納得してくれ。  全部終わったら、洗いざらい話すからさ。」 俺がそう言うと、遠坂はその言葉忘れないでよねと言って、折れてくれた。 3へ続く