※注意 色々ネタバレ。     EDネタバレ フェスネタバレ     色々超捏造してます。     こんなんでもいいんじゃね?という夢と妄想が詰まってます。     オフィシャル否定をする気は無いです。あれはあれで良い。     ただ問答無用のハッピーエンドも大好きです。     見てやるかって方だけスクロールどうぞ。 『これでいい。思い残すことはない。』 『これでいい。思い残すことはないよ。』 肉体を捨てて、再び辿り着いた『ニュクス』の前。 あとは自らの命を封印の楔とするだけ。 人の『死』に触れたいと願う心から変化した『モノ』から『ニュクス』を守る為に。 そこで、気付いた。 少年と少女は、出会う。 「……ええと、どちらさま?」 「……君こそ、誰?」 少女は問いかけ、少年も問いかける。 互いに答えは無い。 「…自己紹介しようか。」 「どうでもいい。」 「む、そういう態度、よくないよ!」 「それより今は目の前の問題だと思うけど。」 少年の言った『目の前の問題』という言葉に、少女もそれもそうかと頷く。 「目的は同じようだね。何故かはわからないけど。」 「そうみたいだね。なんでだろう…?」 暫し二人は考え込むが、答えが出るはずもなく。 そんな二人に救い、かは不明だが、第三者の声がかけられた。 『ここだけ二つの時が、捻れ、繋がってしまったようだね』 「「綾時!」」 その声に少年と少女は同時に声を上げた。 突如現れた存在―――ニュクスアバターに、かつての名を呼ぶ。 『まだ、仮初であった時の名を、呼んでくれるんだね、君たちは』 『綾時』はそう言って、異形の顔で笑ったようだった。 『世界にはいくつもの可能性がある。  その中で、君たち二人の世界はとても似ていた。  君たち自身の歩む道もね。だからだろう。  シャドウは時間に干渉する。この結末の時だけ、二つの世界は繋がってしまった。』 綾時の説明に、少年が問いかける。 「つまり、この『時』に限って、封印は自分か彼女のどちらかだけでいい……ってことか?」 『そうなるね』綾時は肯定する。 「それなら話は簡単だ。自分が引き受けるから、君は帰れ。」 少年の出した結論に、少女も黙っていない。 「それは私の台詞です。あなた、かっこいいし、待ってる人いるんじゃないの?  女の子は泣かせちゃ駄目だよ!!」 言われた少年は眉をひそめた後、負けじと言い返す。 「君こそ、彼氏の一人でもいるだろう。男は意外と繊細な生き物だから、  今頃大変なことになってるんじゃないか?」 う、と少女は押し黙る。 お互いに引かない状況の中、 『二人とも戻る、という選択肢は無いのかい?』 綾時が声をかけてみたが、 「綾時は黙ってろ。」 「綾時は黙ってて。」 少年と少女の声が、再び同時に響いた。 「別に、生きてる皆の為だけじゃない。」 「綾時の傍にいたいって気持ちもあるんだよ?」 「寂しいくせに、強がってばかりで。」 「少しくらい、甘えてくれてもいいのに。」 少年と少女は交互に言い募る。 互いに気付いていた。 互いの想いは不思議なほど、同じだと。 今度は綾時が押し黙る番だった。 確かに、人であったころの想いを、今もひきずっている事実は否定できなかった。 もう一人の自分であるような『彼』と、一緒にいたい。 母のように慕った『彼女』と、一緒にいたい。 戻りたくないわけではないが、戻るわけにもいかない。 生きて欲しいという気持ちに嘘はないが、傍にいてほしい。 少年と少女、そして綾時。 三者三様、次の言葉を言い出せずにいた。 停滞する時間。 「そうか。アレをとりあえず退ければいいんじゃないか?」 少年がぽんと手を打ち、停滞していた時を再び動かす。 それに同じようにぽんと手を打った少女は、それだ!と叫び嬉しげに少年を見た。 少年もうっすらと口元に笑みを浮かべている。 死に触れたいと望む意識が実体を持った『モノ』。 それは目前に迫っていた。 『……相変わらず、無茶を言うね』 綾時は諦めたように言っただけで、止めようとはしなかった。 この二人をよく知るが故に、可能性があることを否定できなくて。 「やってみる価値はあるだろう。」 召喚器は無いが、もはや二人には必要ない。 少年は迫り来るモノを見据えて立つ。 「大丈夫だよ。一人なら無理だったかもしれないけど、二人ならきっと。」 少女も少年の隣に並ぶように立ち、 「ねえ、折角逢えたんだし、名前、聞きたいな。私の名前はね……」 そうして自分の名を告げると、少年は僅かに目を見開き驚きを少しだけ見せた後、 「自分の名前は……」 少女と同じ音を紡いだ。少女も驚き、そして小さく笑う。 アレを倒しても、その場しのぎにしかならないかもしれないが、 自分達が普通に死ぬ時までの間ぐらいはもつかもしれない。 全て憶測でしかなかったが。 「その『時』がくれば、きっと解るだろう。」 「そうだね。私たちの中に綾時は、『デス』はいたんだから、次はきっと解るよ。」 二人は振り返り、綾時を見て、 「またここに来るから。」 「その時まで、待っててね、綾時。」 再会の約束を勝手にしてから、『死』に、別れを告げた。 綾時は目を細めるだけだ。 「じゃあ、行くか。」 「うん、行こう。」 二人は駆け出す。 二人の背に現れたペルソナは、始まりとは似て異なるオルフェウス。 『………ああ、また、いつか』 後には綾時の声が、優しく響いた。 ・ ・ ・ ・ ・ 皆の声がする。 自分を呼びかける必死な声。 すすり泣く声。 『ああ、(君の)(あなたの) 言った通り』 ひゅ、と、再び体に命の息吹が流れる。 目を開けて、視界に入ってきたものは、皆の顔。 驚愕は歓喜に変わっていく。 体はベッドに横になっている。病院のベッド。 「「……おはよう」」 何と言えばいいのか解らなくて、言葉に出来たのはそんな挨拶。 ただいま、の方が良かっただろうか。 直後、仲間のみんなにもみくちゃにされた。 眠るように死んでしまっていたのに 馬鹿 心配させやがって よかった 様々な声に包まれる。 不思議な体験をしていたとだけ、少年は、少女は言って、笑った。 同じ名前の君、あなた。 そして綾時。 いつかまた、会える日まで、さようなら。 そっと心で別れを告げて、病室の窓から見える空を見た。 とても青い空が、目に焼きついた。 ○股全コミュMAX前提。愛をふりまく主人公二人。 生き返ったら修羅場勃発ED。ベルベット姉弟が助けに来てくれるよ。 男主も女主もまとめて幸せにしたいと夢みたら、こんな展開に。 二人そろえば敵なんていないと思うんだ。