何度も何度もキスをして。 頭の先から足の先まで触れ合って。 そうして俺はヤマトの昂った熱を受け入れる。 俺の排泄器官はすっかりヤマトを受け入れる為の器官に変わってしまった。 そのことに後悔は無い。 慣れてきた俺のその場所でヤマトが快楽を感じてくれることが嬉しい。 お互いに達した後、ヤマトは抜かずに再びゆるりと腰を動かす。 それだけでヤマトの熱は硬度を取り戻し、俺は過敏になった身体への刺激に震える。 ぐちゅりと濡れた音が耳に届く。 奥深くへ注がれたヤマトの精が掻き混ぜられ接合部から溢れ出る感触に俺は声を上げた。 「ぁあ…っァ、ふ」 「ユキ、ト…、悦いか」 「んっ、もう、すこし、てまえっ」 「ここだろう」 「っア!っぁあ…ん、ぅ」 「あまり、出していては…っ、持たんぞ」 一番感じる場所を突かれて達してしまった俺にヤマトは小さく笑いながら言ってくる。 ひくりと震えて僅かに勃っている俺自身にヤマトの指が絡んで、根元をぎゅ、と締めてきた。 そしてゆっくりとぎりぎりまで腰を引いて、今度は強く突き上げてくる。 「――――っ!!あっ、や、まとっ…あぁっ!」 繰り返されるその動きに、俺は必死にヤマトに縋りつく。 与えられる刺激に身体は悦んでいて、だがヤマトの手によって吐き出すことが出来なくて、 全身が沸騰したように熱くて苦しい。 強すぎる快楽は痛みよりも耐え難いことをヤマトとの行為で俺は知ってしまった。 ヤマトの背中に爪を立てる。ヤマトの首筋に噛み付く。 それでもヤマトの動きは止まらない、寧ろ更に遠慮のないものになっていく。 ぐっ、と下腹部に力を込めるとヤマトを受け入れている場所が締まって、 ヤマトが眉をひそめて喉を鳴らす。 「も、やまと、はやく…っ」 俺の声が引き金になったのか、は、と熱い息を吐いたヤマトは根元まで俺の内部へ埋め込んで、 そのまま小刻みに身体を揺らしてきた。 奥を抉じ開けるような動きに、ひ、と悲鳴じみた声が俺の開きっぱなしの口から零れ落ちた。 そしてがつんと強く抉られて、その瞬間に俺自身を戒めていたヤマトの手も離れて、 俺は声も出せずに薄くなった精を吐いた。ぎゅうと搾り取るように自分の内部が蠢いたのが判る。 「っく、ァ――っ」 ヤマトも色っぽい声を出して、俺の最奥に吐精したようだ。じわりと熱が内部に広がっていく。 強張っていた身体が弛緩して、両腕を投げ出して俺はベッドに沈む。 ヤマトも乱れた呼吸のまま俺の上に倒れこんできた。 ぴたりと重なった肌はお互いの汗やその他の体液でしっとり濡れている。 ヤマトが俺の腰をぎゅうと抱いた。 まだ内にあるヤマトのものが擦れて、ぞくんと全身に痺れが走った。 「ヤマト…っ、ちょっと、休憩…」 「ああ…抜いた方が、いいか?」 「ん…ヤマトが、我慢してくれるなら、も少しこのまま」 「わかった」 俺の要求にヤマトは頷いてくれる。俺の内にあるヤマトのものはまた硬さを取り戻し始めていたので 辛いだろうとは思うが、こうしてただ繋がっているという状態が俺は結構好きだったりするので、 ヤマトにも直接言ったように我慢してもらおうと、俺はそっと目を閉じた。 ヤマトは身体をあまり動かさないようにしながら、俺の鎖骨のあたりを吸っている。 時々小さな痛みを感じるので、所謂キスマークが付けられているのだろうとぼんやり思う。 今日は俺の誕生日だった。 ヤマトに何か欲しいものはあるかと問われて、改めて問われると特に浮かばず、 結局俺の誕生日であるその日の半分、ヤマトの時間を貰った。 丸1日は仕事の関係で色々と難しいだろうと考えての半日だ。 1週間前からスケジュールを調整して、お互いにその日の昼で仕事を終えて、 それから後は俺の部屋に籠っている。 一緒に風呂に入って身体を綺麗にした後、風呂で1回。 場所をベッドに移して2回目。抜かずに3回目。 我ながら元気だなーと思う。今日はゴムのこともあえて忘れた。 普段はゴムを付けてもらっている。 ヤマトと性行為をすることになる前に色々調べたので、リスクが気になるからだ。 主にヤマトへのリスク。俺自身は覚悟の上だ。 きっとヤマト自身も俺と同じ気持ちなのだろう、特に異を唱えることもなく付けてくれる。 ただ、やっぱり付けずにする方が好きなのだろうな、とは俺も男なのでなんとなく解る気はする。 それとは別に、正直に言うと俺も、ゴムが無い状態の方が気持ちがいい。 ヤマトに伝えることは無いが、内に出されるのも、好きだったりする。 自分の誕生日に、相手に付けなくていいと言っている時点でばれているのかもしれないが。 女のように孕むことは無いが、ヤマトが俺の身体で気持ちよくなった証を注がれるようで、 何よりも心が満たされる感じがするのだ。 ヤマト、と声を掛けて、キスを強請れば直ぐに重ねられる唇。 「この体勢、疲れた」 「では、うつ伏せになるか」 「顔が見えないから嫌」 「ふむ。では、これならどうだ」 疲れを訴えた俺の身体を抱きしめて、ヤマトは器用にそのまま身体を起こした。 その動きで自分の内からヤマトのものが抜けて、ん、と息を詰めて快楽をやり過ごす。 長い間広げられていた俺の後ろの窄まりは直ぐには閉じずに、とろりとヤマトの放った白濁が零れる。 胡坐をかいたヤマトの上に脚を開いて座った状態になって、俺は小さく息を吐いた。 「零れてしまったな」 そう言いながらヤマトの指が俺の後孔を撫でた。そのまま人差し指と中指が同時に内に潜り込んでくる。 ゆるゆると抜き差しされて、物足りない刺激に俺はヤマトに抱きついて、先程噛んだ首筋に唇を押し付ける。 「やまと」 自分でもどうかと思うほど甘ったるい声で名前を呼ぶと、ヤマトは上機嫌に喉を鳴らして笑った。 「君への贈物というより、私への贈物のようだな」 空いた手で俺の背中を擦りながらヤマトが言う。 「ヤマトの誕生日も、もうすぐだけど、何が欲しい?」 やっぱり俺?と笑い混じりに、ヤマトの首筋を舐めながら聞いてみた。 「そうだな…もう少し、考えてみよう」 ヤマトも楽しげにそう答えた後、俺の内から指を引き抜いて、両手で腰を掴んで俺の身体を少し持ち上げた。 俺は片手をヤマトの肩に置いて、ヤマトの昂りにもう片方の手を添える。 濡れてひくついたそこにヤマトの先端を宛てがって身体の力を抜くと、 ヤマトは俺の腰を支えていた腕の力を抜いた。 そうすると重力で俺の後孔はずぶずぶとヤマトの熱を呑み込んでいった。 根元までおさめて大きく息を吐き出す。下肢は痺れるように熱く、重いが、伝わるヤマトの熱が愛おしい。 「まだ、言っていなかったな」 ヤマトの声に顔を上げて視線を合わせる。ヤマトは俺の頬を両手で包んで、囁いた。 「誕生日おめでとう、ユキト。望むままに、私を喰らうといい」 俺は何度か瞬いた後、小さく噴き出した。 「搾り取ってやる」 そう言ってヤマトの唇に噛み付けば、望むところだとヤマトも俺の舌に歯を立ててきた。 腰を揺らすと、ヤマトも俺に合わせるように突き上げてくる。 先に音を上げるのはどちらだろうか、そんなことを考えながら、 俺はヤマトが与えてくれる快楽に溺れていった。 ヤマトの隣で歳を重ねることに幸福を感じながら。 ユキトの誕生日は、ヤマトより前で双子座がいいなーとか思いつつ。 ヒビキとは違う日で。