■結実の日曜日 起きたか、響希。 今日も良い朝だ。 >グッナイ! ……。お前の英語力は知らんが、それは『おやすみ』の意だ。 >モーニン! ……。ああ、おはよう。何故、英語だか知らんが。 >シャラップ! ……。よほど眠いのか。だが、我慢したまえ。 もう他の者は起床している。 すでに司令室に集まっているぞ。 君も支度して欲しい。 さて…どうだかな。確かにポラリスの試練とやらが、これで終了だとすれば…。 我々はポラリスに謁見し、いよいよ実力主義の世界が、実現される事になる。 >これから起きる >ポラリスを探そう それが賢明だな。しかし…捜索の際には、あの男に注意して行動しろ。 >例の変なヤツ? ああ、そうだ。君や私の前に現れ、情報を与え続けたあの男だよ。 >あの男? 分かっているのだろう?君や私の前に現れ、情報を与え続けたあの男だよ。 ジョー:あ〜あの赤い服の。アイツがどうかしたのかい。ジョーおじさんに話してごらん? ……。天地が引っくり返ったとしても、貴様に話す事はないだろう。 冗談はさておき…。まだ確信が持てない以上、私から言える事はないな。 フフフ…まぁ、そう言うな。どちらにしても、君たちの不利益になるような事はない。 ああ、もちろんだ。どのような事態になろうが、その結論は揺るがん。 さぁ…では行くぞ。総仕上げだ。 (呑まれ行く世界) ……。 >どうした? ああ、響希か。大した事ではない。 >寝てるの? ……。それは冗談だな?どうして私がここで寝るのだ。 >考え事? ああ、響希か。大した事ではない。 見ろ、ポラリスの攻撃による傷だ。こんな所まで侵食が進んでいる。…原因は、分かるな? >結界がないから そうだ、その通り。我が峰津院家の施した結界が、消失したからに他ならない。 >分からない 阿呆、考えてみろ。我が峰津院家の施した結界が、消失したからに他ならない。 …先ほど、街の連中から聞いた。江戸川区や江東区が無に飲まれたと。…かなりタワーに近い所だな。 …急がなければ、本当にこの世界は滅びてしまう。もはや、一刻の猶予もないぞ。 (示された道) …そうか。これほど捜索に当たっても、変化が見られないとすると…。 ん…響希か。どうだ、何か兆候は見つかったか? >見つからない >探してない 憂う者:…やぁ、来たね。輝く者よ、君を待っていた。 >どうして? >それは光栄だ こちらこそ、光栄だ。よくベネトナシュを倒したね。やはり人間は素晴らしい。 寝言はいい。どうやら私の予想通りのようだな。さて…私からお前に質問だ。 貴様は全てのセプテントリオンを倒せば、ポラリスへの道は、開くと言った。 …その言葉に、嘘偽りはないな? 憂う者:……。ああ、そうさ。私は嘘などついていないよ。 なるほどな。やはりそういう事か…。では、我々のすべき事は決まった。 憂う者:…全て承知のようだね。さすがは峰津院家の当主だ。 フン…世辞か?ずいぶんと人間らしい口を叩くようになったじゃないか。 憂う者:そんなつもりはないよ。私の本心さ。…どうあっても君たちは、信念を曲げる気はないようだね? くどい。我々のすべき事は決まった…、そう告げたはずだが。 憂う者:そうか、分かった。だが…君たちにその資格があるか? …我々の実力を、知らぬワケでもあるまい。 憂う者:そう急がないでくれ。君たちの実力を試させてもらうよ。 さあ…始めよう。準備はいいね? それはそうさ。君たちの望んだ道は、私の願うそれとは違った。 だが…仕方がない。それが人間の選択と言うならば…。 それなりの覚悟と力を持ち合わせているという事を、私に見せて欲しい。 >どうすれば? >やってやる 今までと変わらないさ。立ち塞がる全ての者を屠り、この場に再び静寂を。 …もったいつけてくれる。貴様が相手ではないのか? 憂う者:幾多の試練を乗り越えるのは、慣れたものだろう?今回もそれと変わらないさ…。 この程度の悪魔で我々を試すだと?フン…ナメられたものだ。響希、行くぞ! フン…トドメだ。私の手を煩わせおって。 憂う者:素晴らしい。君たちがこの8日間で育んだ実力は、本物だ。 ああ、分かっている。だけど…君たちにはまだ、すべき事が残っている。 …ポラリスの所へは、君たちの言う『ターミナル』で、行く事になるだろう。 だが…今、君たちの手の内にある端末は、あまりに脆弱で、その力を宿すに値しない。 まずは君たちの持つターミナルを強化する方法を考えるんだね。 …いいだろう。まずはターミナルの強化だ。 憂う者:楽しみにしているよ。峰津院大和、そして輝く者。…また会おう。 >アイツ何者? >正体が気になる フフフ、いずれ分かるさ。嫌でも…な。 さぁ…そんな事よりも先に、ターミナルの強化に向かうぞ! 我々には時間がないのだからな…! (残された力) ほう…つまり、ターミナルの強化程度ならば、充分可能というワケだな。 >何を? >内緒話? >そうじゃないでしょ >合体ロボにしよう >超常的って? 霊的な強化が必要という事だ。強大な概念を受け入れ得る、巨大な器としての力がな。 >悪魔みたいな? フム、まぁ似た話だ。強大な概念を受け入れ得る、巨大な器として霊的に強化する。 さて…響希、君を試そう。我々の手元に残された、その力とは何だ? >龍脈? フ…素晴らしい。そういう事だ。 >分からん 分からないか、良く考えろ。我々に残された力…、それは『龍脈』に他ならない。 だが、龍脈は全て、ミザール戦で使い果たしたはずだ。…そうだな、響希。 >まだあるよ …正解だ。我々にはまだ、残された最後の龍脈がある。 >使い果たしたね …やれやれ。こんな手に引っかかるな。 我々にはまだ、残された最後の龍脈があるだろう? …ミザール戦時、都庁の下へ落ちた、最後の龍脈の欠片は…。 今もその力を残したまま、都庁広場に眠っているのだよ! >なるほど >じゃあ行こう (意外な戦い) >あるかな 必ずあるさ。屋上から落ちたくらいで、龍脈が砕ける事はない。 >そうだね ああ、その通りだ。屋上から落ちたくらいで、龍脈が砕ける事はない。 …そのようだな。では急ぐぞ、響希。我々には時間がないからな。 フム…休眠状態のようだな。これでは私の命令も、受け付けはしないだろう。 >どうやって運ぶ? >何とかなる チッ…面倒な。野良悪魔どもが寄って来たか。 これは…。まだ余力を残していたか…! いかんな…我を忘れ、完全に暴走している。 止むを得ん…各自戦闘配備!龍脈の龍を叩いて、大人しくさせるっ! …これでどうだ。しばらく大人しくしてるんだな。 しかし、驚かせるものだ。まさかあの状態で動くとは…。 >参ったね >余裕だよ ハァ…おふざけは、それくらいにしろ。龍脈を運び出すぞ。 >どうやって? >本気で人力? 心配するな。ちょうど龍脈も余力を残しているようだしな。 フフフ、まさか全員で、コレを押せとは言わんさ。 >驚きです >便利だな …当然の事だ。龍脈は純粋なる概念の塊。己を定義する者はいわば主君だ。 定義さえ与えてやれば、龍脈は主君の望む形へと、姿を変えるのだよ。 >ターミナルへ急ごう ああ、そうだな。大阪のターミナルへ移ろう。あそこなら安全は確保されている。 >さて次だ (最後の刺客) さて…着いたな。早速だが始めるとしよう。 >どうするの? 言ったはずだぞ?龍脈は純粋な概念の塊だと。 >本当に大丈夫? フフフ、心配する事はない。言ったはずだぞ?龍脈は純粋な概念の塊だと。 では響希、龍脈の龍は持っているな? この龍脈に『ターミナル』という、概念を与えてやるだけでいい。難しい事ではないさ。 さぁ行け…響希よ。あとは君に任せたぞ。 >任せろ >小さくなぁれ ……。満足したか?冗談はそれくらいにしておけ。 ほう…雰囲気が変わった。何か起こるようだな。 憂う者:…やぁ、峰津院大和。それに輝く者よ。ターミナル強化が終わったか。 ああ、終わった。…だが最後の仕上げが、残っているな? 憂う者:……。いいだろう、君たちと決着をつける時が来たようだね。 >戦うの? >決着って? 憂う者:…輝く者よ。私の名はアルコル。 ミザールの伴星にして、死兆星の二つ名を持つ者、そして…。最後のセプテントリオンだ。 …かつて私の中に、ポラリスやセプテントリオンの持つ、統一自我への疑念が芽生え…。 やがて疑念は、私と彼らを分かち、長い眠りを経た後に…。私を君たち人間のもとへと導いた。 だが…君たちの答えが出た今、私は最後のセプテントリオンとして、その務めを果たそう。 これが私の本来あるべき形…。ポラリスの剣として、君たちに試練を課すための姿だ。 …これ以上の言葉はいらない。あとは君たちの意思を、その力をもって示して欲しい。 さぁ…、来るがいい! やはりな。外道、お前は役に立った。だが…容赦はせんぞ。 各員、準備はいいな?では行くぞ…ヤツを倒す! アルコル:さぁ…行くよ。逃れられぬ死の運命に、君たちはどう抗う? しまった…!……。……?ダメージはないようだが…。今のは一体…! アルコル:フ…さすがだね。しかしその程度では、まだポラリスへの道は遠い…。 アルコル:私を倒さねば、ポラリスへの道は開かれない。さぁ…全力でかかって来るんだ! …貴様の来訪が、峰津院一族の命運を大きく変えた。その因縁に…今、決着をつけよう! アルコル:グッ…!これが…可能性の力…。 …力が果てたか。終わったようだな、響希。 >勝ったぞ! >ようやくか アルコル:ああ、君たちの勝ちだ。私には…やはり君たちの、可能性を摘む事はできなかった。 さぁ、化け物よ。我らは要件を満たした。ポラリスへの道を開け! アルコル:無論だ、峰津院大和。それが…私の存在するべき、最後の事由なのだから。 アルコル:行け…久世響希と仲間たち。この先にポラリスは待っている。 …死んだか。愚かなヤツだ、自らの存在に迷い、自らの道を知る事なく散り果てた。 >悲しいの? ……。行くぞ…感傷に浸っている、時間はない。 >負け犬だね いや、ヤツは…。…よそう、感傷に浸っている、時間はない。 よし…万全の準備を整え、ポラリスのもとへ向かうぞ! (正しき明日へ) 来たか、響希。全員、揃っているぞ。 …準備はいいな?いよいよ、私たちの夢が叶う。実力主義の実現が…! >行くぞ! >これで最後だ! ああ…! 【アーカーシャ層】 ポラリス:人間よ、よくぞ来た。お前たちは試練を乗り越え、私の前までやってきた。 如何にも。私はポラリス…世界の管理者として、天の玉座に座する者だ。 >セプテントリオンは倒した >願いを叶えて ポ:…急くな、人間よ。これまでの事は、いわば私に会うための試験に過ぎぬ。 まず問おう。人間、お前たちは世界に、どのような姿を望むか。 >実力主義の世界を >真の強者にこそ力を 響希の言う通りだ。人間の世界はお前の思うように、すでに腐り切っている。 知恵、知識、力…。その全てが真の意味で評価され、強者には相応しい待遇を! 腐敗の上に築かれた権力や、汚らわしい謀略の全てを排除し、種としての自然淘汰を復古せよ! ポ:…なるほど、つまりお前たちは、個としての力が評価され、それを至上とする世界を望むか。 >その通りだ >やってくれる? ポ:…なるほど、望みは分かった。お前たちが望む世界は、確かに私の望む秩序と等しい。 だが…お前たちの覚悟が本物か、果たして再び堕落の道を歩む事が、本当にないか…試させてもらう。 >それでこそ実力主義 フハハハッ…!いいぞ、響希。さすがは我が盟友! さぁ…これが最後の戦いだ、各自、戦闘態勢っ!存分に暴れ回るがいい! >本気か? では行くぞ…!我が理想を叶えるため、そして世界を導くために! では行くぞ…!私の力を思い知るがいい! ……!何だと、これは…! ポ:まだだ…こんなものでは、世界を負うに足らぬ。さぁ、次だ…。 チッ…なめられたものだ。これまでは小手調べ、というわけか。 ポ:さぁ…これが、お前たちの選んだ道だ。 本当にお前たちが、力の世界で生き残るに値するか、己の力を証明してみせよ…。 ロキ:オイオイ、マジかよ…!人間ごときがオレを殺るなんざ、信じられねぇぜ…。 フン…この程度か。悪魔は全て倒し終わったぞ。 ポ:…良かろう。では最後の試練だ。 さぁ…人間よ。お前たちの決意と覚悟、存分に見させてもらおう…! ポラリスよ、これで終幕だ…! ポ:なるほど。…素晴らしい。 フン、さすがに骨が折れたな。だが…所詮この程度だ。 ポ:…なるほど。さすがに偶然の積み重ねで私の前に立つなど有り得ないか。 理解しているはずだ。私は世界の管理者、滅ぼす事など何人にもできはしない。 『可能性』は示された。確かにお前たちには、圧倒的な力があるようだ。 …その通りだ。ポラリスよ、私の願いを叶える気になったか? ポ:…認めよう。お前たちの願い通り、世界に新しい秩序を与え、その存続を許可する。 フ…フハハハハッ…!遂に…遂に叶うか、我が野望がっ! 長かった…長かったぞ!ようやく私の実力が、正しく評価される時が来る! 響希…よくぞここまで、私について来てくれた。 …お前に感謝しよう。 お前がいなければ、この日はなかった! ポ:人間よ、問う。お前の選んだ秩序は、力による、絶対的な支配。 …それはこれまでのお前たちを否定し、弱き者を排除する世界に他ならない。 長き年月を経て、力を失えばお前もまた、淘汰され行く存在の1つとなるのだ。 >嫌だな >いいとも フフフ…。さすがだな、響希。 それこそが実力主義だ。…簡単な事だよ、強き者であり続ければいい。 ポラリスよ、快諾しよう。もし私たちが弱き者へとなり果てるなら…。 その時は、より強き者によって世界は動かされて行くだけだ。 ポ:…よかろう。では始めるぞ。 ……。不思議なものだ、人間よ。 お前たちの信頼は久世響希へと集い、そして共に未来へと向かっている。 …久世響希よ。世界における本当の強者は、お前だったのかもしれんぞ。