■決別の金曜日 (ヤマトとイオ) ああ、そうか。新田だったな…何の用だ。 ……。前から感じていたんだが。 新田、お前は聡明で度量もあるが、対人関係を築く事が上手くない。 …良くない傾向だぞ? 分かればいい。それで、用件は何だ?手短に話せ。 …実力主義の事か。モメる…ハハハ、面白い事を言う。 黙れ小娘。貴様の理解など必要ない、どうとでも思うがいい。 ……。そうだな、お前の言う通りだ。そうしてこの世界は腐ったのだよ。 新田…貴様はさぞかし、この世界に満足なのだろうな? …誰もが保身に心奪われ、正当な主張も、誠意の尽力も、その盾の前には決して通じぬ。 大局など、どうでもいいのだよ。ヤツらはただ曖昧に、互いの利益を損なわぬように、外面を整える…。 無為、無駄、無価値だ…!ゴミが上に立ち、有能な者たちはその重みに潰されるしかない! そんな世界に、一体何の意味がある!? 真に正しく世界を導きたいのなら、この汚泥のように積もった、過去からの『負の遺産』を…。 誰かが断ち切らねばならない…!誰もやらぬと言うのなら、私は1人でも戦い抜いてやるっ! さて…響希、そこにいるな?…聞いていたか。 >バレたか フフフ…言うものだ。私が気づいていると、知っていたのだろう? >いませんよ やれやれ、ふざけた男だ。私が気づいていると、知っていたのだろう? >イオを泣かすな おや…アレはお前の物だったか。それは失敬…だが、躾が足りんぞ? ヤツらも少しは考え始めたようだ。さて…どんな結論を出す事やら。 >ロナウドもね あの名古屋の愚か者か?フフ、どうでもいい話だな。邪魔なら潰す…それだけだ。 >色々あるだろ ああ、そうだな。だが誰が何を思おうが、私の進む道が変わる事はない。 誰がどうあがこうと、叶えられる世界は1つだけ…。 叶えられるべき世界も1つだけだ。 弱者にかまけているクズも、何の意思も持てないクズも、実力主義に賛同できないならば…。 …蹴散らすまでだ。私の理想の礎にするだけの事さ。 響希…私は貴様を買っている。無理にとは言わん…だが、ゆっくり考えろ。 (幸運の神様) 響希だな。私だ、峰津院大和だ。 >珍しいな ……?そうでもないだろう。君に力を借りたい。 …意外に深刻な事態だ。適任者が他に思い当たらん。 >そんなに深刻? ああ、警戒するな。そういう意味ではないんだ。 フム…何と説明したものか。どうも、その…性格的に、 私が処理する案件ではないのだ。 >どういう意味? とにかく、フェスティバルゲートへ向かってくれ。行けば状況は分かるはずだ。 (主人公、ジプス最強戦力) (とりとめなき襲来) ヒナコ:ん…仲がええ?あ〜そや、響希。アンタ、ヤマトと仲ええわな? そやったら、アンタから直にヤマトに聞いたらええんちゃう!? フミ:…ん、それもそ〜だ。局長、響希の事は、可愛がってるもんね。 (峰津院の奥の手) 揃いも揃って何の話をしに来たかと思えば、そんな事か? 答える必要はないな。 そんな事は承知の上だ。だが、それは許可しかねる。なぜならば…。 ん…響希。フフ、さてはこの者たち、お前の差し金だな? >違うよ おやおや、そうだな。お前が話した内容を、こやつらが勝手に鵜呑みにした結果に過ぎん。 しかし驚いたよ。まさか私の案内もなしに、君が都庁の方陣まで見つけるとは。 >あの方陣は? フム…こうして君が自ら私のもとへ出向いたのだ。それなりの敬意を示す方が無難か。 だが、聞いておこう。今、あの方陣を使って、本当にいいのか? >何か困る? リスクを伴うからだ。あの方陣は、峰津院家が施した、龍脈の力を使うための術式なのさ。 以前に話した事があるな?東京、大阪、名古屋の3都市は今、龍脈による結界で守られている。 つまり…あの方陣の使用は、龍脈の力を消耗する事になり、3都市の結界の消滅を意味する。 >無に飲まれる その通りだ。無に飲まれ、人も物も、全てが完全に消滅する。 ああ、そうだ。だからこそ都庁の方陣は、これまで使わずにいたのだ。 >他に手は? フム…なかろうな。少なくとも、現在までの報告では、ミザールに対する策はない。 さて…前提は理解したか?では今一度、問おう。あの方陣を使いたいというのだな? >使いたい ああ、では補足だ。確かに結界を失えば、都市は完全なる無に飲まれ、消滅する。 だが…都市の全てが無に飲まれ、完全に消滅するまでには、ほんの少し、猶予がある。 ポラリスの攻撃によって発生した無の侵食は、徐々にその範囲を広げて行く。 東京、大阪、名古屋。3つの都市が無に帰するまでの、わずか数日で…。 誰かがポラリスに謁見し、新しい世界を創る事ができれば、問題はないと言う事さ。 ああ、そうだ。 むろん限度はあるが、現状を維持すれば、タワーが倒れない限り結界は持続する。 だが、都庁の方陣を使う事で、結界は消滅し、世界の消滅は、間近に迫る事になる。 >どのくらい? フム…そうだな、もって3日、悪ければ1日で、全ては無に飲まれる事になる。 状況は理解したな?さて、どうするのだ。 …私は構わないぞ。どの道お前たちの決断を、3日も待つ気はない。 くだらんな、当然だ。この世界は腐り切った果実だ。 …腐って尚、枝から落ちる事なく、腐臭をまき散らし続ける、無様なガン細胞なんだよ! 貴様らには分からんか?もはや、平和の上でなど、世界を修正する事はできぬ。 例え暴君として名を刻まれようと、誰かがやらねば、この世界は救えんのだよ! >全員落ち着け >はい注目〜! >話を戻そう >後でやれ フフフ、その通りだな。お前たちがここへ来たのは、内輪もめをするためではなかろう? …いいか。都庁の方陣を使えば、無の侵食は急速に加速する。 しかし方陣を使わなければ、ミザールは無限に増殖し続けて、今日にでも世界は滅びるだろう。 さぁ決断しろ!ミザールを倒す事に反対の者はいるか! >決まりだな 良かろう、では決まりだ。お前たちはあの方陣を使うため、2つすべき事がある。 まずはクサビだ。東京、大阪、名古屋、3つのタワーには…。 龍脈の力を吸い上げるため、それぞれのタワーに呼応する、3つのクサビが存在する。 都庁の方陣を利用するためには、これら3つのクサビを全て引き抜き…。 本来、結界に使用されている龍脈の力を、全て解放する事が必要となる。 ああ、そうだ。先ほど言った通り、それ以降は無の侵食が加速する。 >2つ目は? フフフ、良かろう。では次にすべき事の2つ目だ。 クサビを引き抜いたら、かの方陣を使い、龍脈を具現化する。問題はその方法だが…。 …『龍』だ。あの方陣は龍脈を、その名の通り龍と化し、使役する方陣なのだよ。 私は本気だ。龍脈の全ては龍と化し、我々の敵に襲いかかるだろう。 >凄いな フフフ、これが我が峰津院の生み出した切り札なのだよ。さて、話を続けよう。 龍脈の龍化にはカギが要る。肝心の方陣を起動するためには、定められたカギが必要なのだ。 >カギって? …悪魔さ。カギと定めた悪魔の力を得て、方陣は初めて起動するのだよ。 まぁ、そんな所だ。だが…今回は問題もある。 アリオトを札幌へ向かわせるために、東京タワーの電源を落とした事は、覚えているか? >覚えてる フム…あの時、多少なりとも東京はダメージを受けている。 カギとなる悪魔が封じられた土地も少なからず、無の侵食を受けているだろうからな。 土地と概念を一体化し、その場に眠っている悪魔も、無事ではあるまいよ。 欠けた概念を補うためには、誰かが依り代になる以外ない。 依り代の適性は、こちらで調べさせておこう。幸い、健康診断のデータがある。 …貧相な。貴様らのデータに興味はない。 では、私は手筈を整える。作戦は追って指示しよう。…しばらくしたら、また来たまえ。 (崩壊する結界) >ヤマトは? …ここだ、響希。チーム編成は済んでいるぞ。お前が来るのを待っていた所だ。 …最終確認だ。この作戦を実行すれば、都市を守る結界は全て失われる。 後戻りはできないが…、覚悟はいいな? >全然問題ナシ >仕方ない 良かろう、では作戦を開始する。 撤去すべきクサビは全部で3箇所。そこで我々も3チームに分かれ、並行して作戦を遂行する。 現地では何があるか分からん。戦力や連携の面も考えて、チームを次のように編成した。 まずは志島、新田、秋江、迫だ。彼らを東京チームとして、行動を共にしてもらう。 続いて九条、和久井、柳谷。こちらを大阪チームとして行動を共にしてもらおう。 最後に伴、菅野、鳥居だ。こちらは名古屋チームとして共に動いてもらおう。 さて…。ここからが問題だ。 響希、どうする?君はどのチームを、率いるかね? 良かろう。では、名古屋チームの行先は決まった。 響希率いるチームを本隊とし、該当チームは富士火口へ急行…!そこにクサビの管理施設がある! 今から渡す直通コードを使い、ただちにターミナルへと向かえ! クサビを抜く方法は、現地に着き次第、伝えよう。まずはクサビ施設を目指すんだ! 残りチームの行先は、追って指示する…!では行くぞっ! …私だ。無事に辿り着いたようだな。 >寒かった フフフ…だろうな。しかし君が望んだ作戦だ、我慢したまえ。 では、施設の最下層を見ろ。 そこに地下へ打ち込まれている、クサビの一端が覗いているはずだ。 クサビを抜くためには、いくつかの手順を踏まねばならん。 …まずは、脇にある端末の起動だ。 この電話に際して、すでにお前たちの携帯電話に解除コードを送付してある。 それを使い、端末を起動すれば、クサビへのアクセスが可能となる。 そして順番に3箇所、クサビ本体にもコードを送信しろ。 送信すべき箇所は、端末の起動後に指定されるだろう。全て送信し終えたら、解除完了だ。 …ただし、注意しろ。普段でさえ、龍脈の力は悪魔を喚ぶ。 ましてやクサビを抜くとなれば、漏れ出す力を求めて、より多くの悪魔が終結するだろう。 思わぬ悪魔が現れるやもしれん、充分に気を配っておけ。 …響希、ご苦労だった。無事に龍脈のクサビは引き抜かれ、方陣を使用する準備は整った。 ああ、そうだろう。 そしてもう1つ…予定通り、3都市の結界は先ほど崩壊した。 フフフ…結界を失った都市は『無』に侵食され、わずか数日でその全てが消え失せる事になる。 そういう事だ。もうそれぞれの意見を交換している場合ではないぞ。 悠長に迷う時間は過ぎたのだ。私は、私に従わぬ者を全て排除し、実力主義の実現を目指す…。 私に従うか、従わず消されるか、サッサと心に決めておけ。…せいぜい今夜までだ。 >分かった >考えておく さて…せっかくの虎の子を、ムダにするのは癪だからな。次の手順に移らせてもらおう。 フム、その通り。都庁の方陣で龍脈を龍と化し、ミザールを片付ける計画…。 その一手として我々は今、龍脈に打ち込まれたクサビを、全て引き抜く事に成功した。 次なる一手は、方陣を起動するカギとなる悪魔を復活させる事だ。 …如何にも。以前実施した健康診断のデータから、依り代としての適性を割り出した。 >誰? まぁ、焦るな。その前に伝えなければならない事も残っているからな…。 1点、確認しておこう。悪魔の依り代となるという事は、決して安全な事ではない。 まして無の侵食を受け、概念の欠けた状態で、悪魔を降ろすのだ。 …今回に限り、依り代となった者の命を保証する事さえできない。 >酷いな >仕方ない フフフ…さすがだ、響希。小なる犠牲に惑わされ、大局を見失うなど、将の器ではない。 ……?どういう意味だ。他にどんな要素があると? ああ…そういう事か。ッハハハハ…! 残念だが、その可能性は皆無だ。悪魔に対する適性など、そう適合するものではない。 テスト結果を見せても構わんが、実際、今回調べた中でも、その者以外の候補は見当たらん。 …大体、先ほど言ったように、私は君たちに協力するだけだ。作戦を中止しても構わんのだぞ? なるほど…反対はないようだな。では新田を連れて宮下公園へ向かえ。 封印解除コードは後ほど転送する。 …聞こえなかったか?『新田維緒』を連れて、宮下公園へ向かえと言ったのだ。 おや…逃げたか。まぁいい、よほど愚かでなければ、自分から宮下公園に現れるだろう。 由希人よ、龍脈のカギとなる悪魔『ルーグ』は、宮下公園に封じられている。 準備ができ次第、宮下公園へ向かえ。後の事は追って指示する。 …ああ、響希。ルーグの開封は成功したか? >もちろん >心配? フ…。心配などしていない。お前の実績から言ってな。 だが良いタイミングだ。こちらも準備が整った。 新田にルーグを降ろしたのなら、18時半頃に東京都庁へ来い。…龍脈の力を目覚めさせるぞ。 フミ:あ、局長からラブコール?何だって? >好きだって ヒナコ:…あんなぁ、響希。本気にされるで、あんましそういう冗談言わん方がええで? (龍脈の龍) 響希か、ご苦労。こちらの準備は万全だ。…始めるか? >そうだね よし…では向かおう。他のメンバーも、すでに戦闘態勢にある。 さて…全員、準備はいいな。では新田、都庁の中心へ。 …どうした?ここまで来て怖気づいたか?だが、もう遅い。 すでに龍脈の封印は解き、ミザールは目前に迫っている。今さら中止など…。 いいだろう…術式が終わるまで、何があっても君はそこにいろ。動けば全てがムダになる。 響希、君たちはこの場で新田を守るんだ、いいな? >ヤマトは? 君も見た地下の方陣さ。術式をとり行う人間が必要だ。では…武運を祈るぞ。 (電話) 私だ、聞こえるな?今から新田の概念をルーグと融合し、龍脈を開くカギとする。 …分かっていると思うが、術式の最中は、漏れ出す力を嗅ぎつけた悪魔が集結するだろう。 術式終了まで、何としてでも新田を守れ。 以上だ…。 (電話) …聞こえるか。術式の負荷は、新田にダメージを与える。 状態を見て、そちらで適宜、新田を回復させておけ。 ルーグとのシンクロ率、20%。…まだ時間が要るな。 ルーグとのシンクロ率、40%。もうしばらく耐えろ。 ルーグとのシンクロ率、60%。…いいぞ、その調子だ。 ルーグとのシンクロ率、80%。あとわずかだ。 総員、聞こえるな。その場から退避しろ。繰り返す、総員退避だ。 私だ…。聞こえるな、響希。 >聞こえる ああ、何よりだ。龍脈は龍化し、見事ミザールの捕獲に成功したようだ。 後は都庁の屋上へ上がり、無様にしがみつくヤツの触手を、引き剥がすだけさ…。 まぁ…特に急ぐ必要はないが、龍脈を龍として使役できる時間は限られている。 響希…頃合いを見て、都庁の屋上へ向かい、ミザールを始末しろ。 (食物無限連鎖) ああ、響希。待っていたぞ、ミザールはこの上だ。 さて…準備はいいな?では都庁の屋上へ向かうといい。 >行って来る ああ、行って来い。油断するなよ。 (電話) 総員、聞こえるな?ミザールは完全に排除された。…君たちの勝利だ。 フフフ、響希。まずはご苦労だったな。 …馬鹿が浮かれているようだが、お前は分かっているのだろう? 結論の時期は早まった。 先ほど、部隊から連絡があった。…横浜市が無に飲まれたそうだ。他にも、数件の報告がある。 >侵食されてる? そうだ、元より無の侵食は、同心円状で起こっているわけではないが…。 結界の崩壊が引き金となり、着実に無の侵食は再開している。 …もはや、決断の猶予はない。私は今夜中に賛同する者を集め、敵対勢力の排除を開始する…! お前が私に賛同するか否か、私には分からんが…。期待しているぞ、響希。 (種の意思) …おや、有象無象が集まって、こんな所で一体、何の会議だ。 ん…響希もいるか。ではこれも何かの機会だ、この場で全員に話しておこう。 >いい事? フフ、私にとっては、どちらでもないな。 …全員、聞け。私は以前、君たちを前に、我が理想を語った。 以降、君たちの心情に配慮し、しばし考慮の時を与えたが…。 ミザールの龍来に際し、都市に与えた結界は崩壊し、もはや、破滅まで猶予はない。 私は今この時を境に勢力を確定し、世界の再興に向けて、行動を開始する…! こうなる事は、すでに予想がついていたはずだ。今さら言葉を交わす意味はない。 …私の望みは、世界の再興のみ。大局を見ろ、貴様らの迷いなど、知った事ではない。 >まったくだ フフフ、そうだ響希よ。兵の1人に気を配る事も重要だが、入れ込めば大局を見失う。 大人しく待てば良し。それができぬなら…殺す。 ……。知らんな、誰だ貴様。 ああ…名乗るな、鬱陶しい。貴様に出番はない、どこへなりと消えろ。 フン…理想だと。平等主義というヤツか。 愚かな男だ。平等など、怠惰な人間の常套句。社会に甘えたクズを量産する気か? …阿呆め、好きにしろ。相手にする気も起きん。貴様の平等主義など…。 ほぅ…良かろう。では貴様の望み通り、相手をしてやる。 お前に賛同する者を、今夜中に自らのもとへ集めろ。…明日から戦闘を開始する! >他には? ほぅ…では聞こう。志島、お前の主張は何だ? ……。フフフ…弁の立つ女だ、私は一向に構わんぞ。 さて、戦力は多い方がいい。負けた者は勝った者に従うがいい、…生きていればな。 >いいね くだらん…どうでもいい事だ、私は引き上げるぞ。 【ヤマトの誘い】 (待っていた様子のヤマトを見つけた…。) …響希。来たか、遅いぞ。 >不安だった? フフフ…ああ、不安だ。お前は優しいからな、情に流されでもすれば駒が減る。 >お待たせ フフフ…ふざけた男だ。そうだな、私が人を待つなど、お前以外にありえん事だ。 ケイタ:おい、峰津院。こっちの準備は…あ?久世か、何でここにおる? マコト:あ…。まさか…久世を、…我々の味方に? フミ:へ、当たり前でしょ。響希が役に立つのは、これまでの実績で明らかだもん。 ケイタ:フン、モテよるな。まぁ…確かにコイツの力は、それなりに認めたるが。 さがれ、愚か者ども。私が響希と話しているのだ、大人しく待てんのか。 フミ:はは、そうだった。じゃあ後は頼んだよ、局長。 さて…では本題だ。無駄に時間を取らせる必要もない。 …響希、私と来い。この大阪を中心として、共に実力主義の実現を目指そう。 響希よ、人間は生まれながらにして、すでに平等ではない。 人間が複数、それも別個体として存在する以上、それは否めない事なのだ。 だが…それは現在のように、家柄や、一族の所持する資産などで決めるべき事ではない。 個体として、真に実力を有する者こそが人間を統率し、愚民どもを導く務めにあるべき者なのだ! …これまでの世界では、妙な道徳や、くだらない倫理が、その理想の実現を妨げてきた! だがそれは力なき者が、自らの失墜に怯え、作り上げた愚かな思想でしかない…! 過ちを犯す愚者が上位に居座る限り、過ちが正されるなどありえないとは思わないか? 真に力を持つ者が導いてこそ、人間は何にも負けぬ、真の強者になり得るのだよ! 響希、お前は強者だ…!お前は私を超える可能性を持つ、数少ない人間のひとりなのだ! …私と手を携え、共に人間を真の強者へと、導こうではないか! >待って 無論だ…。お前に無理強いしても、私に得はないのだからな。 ↓ …響希。決断したのか? 私は実力主義の世界を創る。真に力を持つ者が導いてこそ、人間は強者になり得るのだ…。 だから私と来い、響希…! 共に理想の実現を目指そうではないか! >いいよ マコト:……!ありがとう、久世。君と出会えて良かった。 ケイタ:フン…ええのぅ、久世。俺が見込んだだけの事はあるわ。 フミ:よっ、響希。これで本物の仲間ってヤツだね。先は長いけど、まぁヨロシク〜! ……。フ…フハハハハッ! ようやく見つけた…! 響希、お前ならそう言ってくれると信じていたぞ。 響希、お前は私の片腕だ。 無論…然るべき時には、私と同列の席を用意しよう。 明日よりジプス大阪本局を拠点とし、抵抗勢力の排除と、ポラリスへの道を開くための作戦を開始する! …ゆっくりと休め。ジプス大阪本局に、お前の部屋を用意する。