■驚愕の木曜日 (はれときどきどく) ……。 >何か見える? …響希だな。空だよ、見ての通り…な。 未明から東京で、神経毒による死亡者が急増している。…君はどう見る。 >セプテントリオン フム…そうだ。さすがに頭が回るな、君は。 被害の件数は増える一方だが、目撃談や情報は1つもない。 …ヤツの仕業だろう。 現場は全て屋外…。発生時刻と座標から算出して、敵の移動は直線、かつ等速だろう。 さらに障害物や建造物を無視し、屋外のみに毒物を放てる場所…。ヤツは空にいる。 >なるほど あくまで推察に過ぎんが、まず間違いない結論だろう。 そして…。ヤツの目標はこの場所だ。 >タワーか そうだ。ヤツらなら必ずタワーを狙って来る。 タワーは我々の要だ。何としてでも死守せねばならん。 >タワーに何が? ああ…そうだな。君たちには話しておくべきだろう。 …我々ジプスが、古来より日本の霊的防衛を担ってきた事は話したな? >聞いた ウム…そうだ、その折は見事だった、改めて礼を言おう。 我が峰津院は、いにしえに『龍脈』の存在を知り、それまでに伝えられていた術式を用いて…。 …『龍脈』の力を取り出し、それを自らの望む形で利用する術を編み出した。 戦後この術を応用し、いかなる外敵からも主たる都市を防衛すべく建てられたのが、このタワーだ。 >結界なの? ほぅ…察しが早い。そうだ、タワーは常に『龍脈』を吸い上げ、結界を成している。 …分かったか?これが、我々がタワーを守り、ヤツらがタワーを狙う理由さ。 >タワーが壊れたら? 結界は崩れ、霧散する。タワーを失った都市は滅びの道を行くだけだ。 馬鹿者がっ…!うかつに動くな! チッ…来たか。セプテントリオン。 >敵は? さて…姿が見えんな。迷彩の類か、あるいは…。 フン…なるほど。アレが毒素の発生源というわけか。 あの落下物が一定時間を経ると破裂して、毒素を撒き散らすようだな…。 …好機だ、響希。これを逃す手はない。 各自、戦闘態勢を!敵の所在を把握するために座標を観測する、私を守れ! 今から作戦の詳細を伝える! >頼む これから私は落下物の着地座標に向かい、ヤツの位置を解析、特定する。 正確な解析には、複数の座標での観測が必要だ。私はその間、無防備になる。 君たちは私を護衛しつつ、落下物に接近して破壊しろ。毒素の散布を未然に防ぐのだ。 …説明は以上だ。分かったな? >分かった よし…頼んだぞ。部下が有象無象とあれば、お前に苦労をかけるしかない。 さぁ…。ショータイムだ。 よし…作戦行動に移る。護衛は任せたぞ。 第一座標での観測を終了した。引き続き護衛を頼む。 フン、ザコどもが。私に盾つこうなど…笑わせるな。 チッ…毒素か。さすがに厄介だな。 第二座標での観測を終了。次の観測地点へ向かうぞ。 第三座標での観測を終了。各員、持ちこたえろ。次で終わるはずだ。 全ての観測を終了したぞ…!あとは周囲の悪魔を一掃しろ! よし…悪魔は殲滅したな。上出来だ、では戻るとしよう。 データ入力完了、座標算出、スキャン開始…出るぞ。 名称確認…『アリオト』だ。すでに我々の上空を通過したか。チッ…まずいな。 セプテントリオンがそちらへ向かっている。警戒を怠るな。 ヤツの姿は肉眼で確認できない。今からフィルタモジュールを送信する…すぐに上空を確認しろ。 チッ…やはりな。止むを得ん、タワーの電源を切れ! 聞こえなかったか?タワーの電源を切り、結界を一時凍結するんだ! ヤツの目的は結界の消滅…。結界の効果を停止すれば、攻撃対象ではなくなるはずだっ! >間に合うのか …ではどうする?このまま何もせず、ヤツにタワーを倒されたいか。 多少の被害は出るが、タワーを崩されるより良い。…電源を切るんだっ! ……。 チッ…、聞こえるか?応答するんだっ。 >タワーが ……。分からんな…だが…。 ……!どうなっている、現状を報告しろっ! >無事だ いや、分からんぞ。…北上…か。 >どうした? 現在稼動しているタワーは、東京、大阪、名古屋、札幌。 つまりヤツの目的は…。 >札幌だ …そうだ、ヤツはタワーの破壊を諦めていない。 移動速度から概算してもヤツの北海道到着までは、およそ数時間…。 …この東京とて、いつまでも結界を切ったままではいられないからな。 ヤツを倒さない限り、いずれまた舞い戻って来る、という事だ。 >今のウチだ フム…その通りだ。ヤツが札幌に到達するまでに対策を講じなければならんな。 …おい、聞こえるか。『アリオト』は札幌に向かっている。 繰り返す、ヤツは札幌へ向かった。全てのジプスに情報を共有、至急、対策を検討しろ。 …さて。響希、協力してくれるな? >いいとも …助かる。『アリオト』の飛行高度は、悪魔の使役範囲を超えている。 このままではヤツを迎撃する事さえできず、タワーを破壊されてしまう。 …響希、ヤツを撃ち落とす方法を探せ。こちらはこちらで手配する。…期待しているぞ。 (電話) …響希、私だ。アリオト対策はどうだ。 >完了した フム、さすがだな。君ならやると思っていたが。 とにかく一度、私の所へ来い。アリオト撃墜について、全員に作戦指示を伝える。 (撃墜の為に) …揃ったか、始めるぞ。 まず『アリオト』は現在までに、札幌と東京の中間地点を通過した。 これにより我々は、停止したタワーの電源を復旧し、東京の結界は再び稼動状況にある。 >被害は? 幸い、現在までに大きな被害は報告されていない。…まぁゼロではあるまいがな。 フム…確かに『アリオト』の飛行高度は高く、悪魔の使役範囲を超えている。 だが、案ずる事はない。我々は『アリオト』を撃墜し、そして…息の根を止める。 >シヴァを使う フム…響希の言う通りだ。シヴァの持つ『パスパタ』であればアリオトの撃墜は可能だろう。 >カーマが必要 そうだ…神話上、シヴァがパスパタを放ったケースに、カーマとの一件がある。 我々はシヴァとカーマを復活させ、神話と同じ条件を作り出す事で…。 カーマを囮として、シヴァにパスパタを使用させ、アリオトを撃ち落とす…! >シヴァは踊り …ふむ、その通り。そしてシヴァを喚ぶ役目は、九条が担ってくれるそうだ。 >カーマは色気 …まぁ、そうだな。そしてカーマを喚ぶ役目は、伴が担ってくれるそうだ。 シヴァは名古屋テレビ塔、カーマは新宿チネシティ広場に封印されている…。 そちらの指揮は頼むぞ、響希。シヴァとカーマを復活させ、準備を整えてくれ。 >任せろ …集めたデータの分析によれば、アリオトの本体は、ヤツの巨体の中央に位置する『コア』部分だ。 札幌上空にてアリオト撃墜後、ターミナルでそちらに移動し、『コア』に直接攻撃をかける。 …新田か。構わん、言ってみろ。 ……。…無論だ。 ……。 >どうなの? お前たちの言う通りだ。札幌は、アリオトの墜落で滅びる。 >人はいるの? …さすがだな、響希。お前の予想する通り、アリオトの落下による札幌の死者は…皆無だ。 >もういない ああ、そうだ。札幌はすでに、死の街と化した。 不思議か?私はそうは思わんぞ。 悪魔による破壊と、民衆の未知の恐怖に対する混乱、暴動、自滅…。 一般人など呆気ないものだ。驚くに値せん。 どうあがいても事実は変わらん。…東京は生き残り、札幌は滅んだ。 犠牲を憂いている場合か?サッサとヤツを片付けなければ、生き残った都市も時間の問題だ。 >やるしかない □局長の確信 …君か。こんな所で会うとはな。 >珍しいな ああ、そうだな。俗世間はずいぶんと久しい。 一般人の可能性を見込んで、君のような人材がいないか…。視察しているところだ。 >何をしてる? 視察だ。一般人の様子を見て回っている。 あるいは君のような一般人が他にもいるか…と考えてな。視察しているところだ。 …だが徒労だな。愚民どもは相変わらずだ。時間の無駄だったようだな。 誰もが怯え、逃げ惑い、ただ事が過ぎるのを待つ。…まるで小動物のように。 フン…。どうかしていたよ。私ともあろうものが…ん? …何だ、お前は? ……?これは、炭水化物…か? …不要だ。一般人の施しなど、私は受けん。 …響希。何なんだ、これは? >たこ焼き 『たこ焼き』…?これが一般人の食事か?何とも貧相に見えるな。 >ジャンクフード ジャンクフード…。そうした手軽で安価な食品の存在は知っているが…。 >B級グルメの帝王 ほう、帝王だと?ずいぶんと大きく出たな。この私を前にして…。 ……。何にせよ、私には不要だ。一般人の食糧など取るに足らん。 >食べれば? これを、か?あまり気が進まないのだが…。 >美味しいよ 美味しい?そうか、しかし…。 >冷めるよ ……。 >美味しいって ……。 …いいだろう。君が言うなら、1つ試そう。我が見聞を広めるためだ…。 ……。こんな物、所詮は一般人の…。 ……? ……!こ、これは…? ……。 >どう? >美味しかった? (ヤマトはかすかに笑った) ……。君は不思議な男だな、響希。 私の想定しない行動を見せ、私の知らない世界を知り…。常に私を驚かせ続ける。 フフフ…かつて、これほどまでに私の予想を裏切る人間はいなかった…。 そうだな…。やはり私の目に狂いはなかった。 君となら、あるいは…。 □ (ナタラージャ) (電話) …私だ、今名古屋だな? 急速な霊的磁場の収束を確認した、装置を起動させたようだな。 >そうだ フム…良かろう。では九条に舞を始めるよう伝えろ。 いいか、響希。決して舞を途切れさせてはならん。…例え、何があってもだ。 >了解だ フフ…さすがだ。君の無事を祈っている。 (アナンガ) …素晴らしい。 カーマを捕らえたか。 よし、ご苦労だった。…カーマは私が預かろう。 >ヤマトが? そうだ、アリオトにパスパタを用いるなら、カーマを札幌へ連れて行く必要があるからな。 よしんばシヴァのパスパタで、巻き添えを喰らわなかったとしても…。 下手をすれば、落下するアリオトに押し潰されるかもしれん。 …響希、君が行くか? >いいよ ハハハ…!本当に物怖じしない男だ!だが…ここは私に任せてもらおう。 ……。フム…それが? フ…だから何だ。私を心配でもしているのか? >心配だ ハハハ…!そうか、素直なヤツだ。 今、ジプスに集う者の中には、私を快く思わぬ者もいるようだ…。 まぁ、妥当な判断だがな。 …私は座するだけの無能とは違う。駒が動かずとも、駆ける将と、知らしめねばならん。 さて…時間だ。私はこのまま札幌へ向かう、作戦準備の完了を待て。 各自、それまで待機。…以上だ。 (予期せぬ敵対) (電話) ご苦労、通天閣に襲撃者らしいな。…始末したか? フフフ…上出来だ。響希も一緒だな? ああ、そうだろう。札幌の準備は整った、これより作戦を発動するぞ。 (サードアイ作戦) …響希か、シヴァの準備はいいな? >バッチリ フム、結構だ。こちらも作戦を決行する。 響希、ご苦労だった。…見届けるがいい。 (札幌 大通) …さて、分かっているな?お前が助かる術は1つしかない。 ……。 失礼した、状況が見えなければ改めて説明するが。 …交渉する気はない。さて、どうする?選ぶのはお前だ…。 …無論だ。お前が私の役に立つのなら、それなりの礼儀で接するさ。 …期待しているぞ。早速だがシヴァを射れ、ヤツは名古屋に…。 ほぅ…さすがだな。よろしい、お前に任せよう。 …終わりか? 状況を知らせろ。…どうだ? よし…上手く行きそうだな。総員、退避! …ああ、約束は守る。貴様が亡きあとの日本は、我々が必ず守ってみせよう。 …ではな。この国の礎となれる事を、誇りに思いたまえ。 (電話) …私だ、ご苦労。予定通り、パスパタはアリオトに命中した。 >成功か? ああ、作戦は成功だ。アリオトは損傷し、テレビ塔を巻き添えに札幌へ墜落した。 >次は? フフ、焦るな。ヤツの外殻は膨大な量の毒素を蓄えている。 墜落で破損した外殻からは、大量の毒素がもれ出し、札幌は毒の海と化しているだろう。 >いつまで? ああ、分析によれば、アリオトの毒素はガス状で、一定の地点に長く留まらない。 もうじきすれば…毒素は人間が活動可能な程度の濃度まで、霧散するだろう。 その後、我々はターミナルを利用して札幌へと向かい…。アリオトの『コア』を討つ! >分かった …期待している。では、健闘を祈るぞ。 (アリオトコア) 響希、アリオトを撃破したか。…ご苦労だった。 >弱かった フフ…さすがだ。敵も5体目となって尚、そんな余裕を見せるか…。 さて…お前たちのために、晩餐を用意させた。私から、せめてもの労いだ。 18時頃に大阪本局で待つ。他の者には、私から声をかけておこう…では。 (ヤマトの真意) …集まったな。忙しいところ、すまない。 …さて、承知とは思うが先刻、由希人たちの活躍で、我々は無事、アリオトの撃破に成功した。 これを祝し、ささやかではあるが…。 …言え。迫、どうした。 …報告? ……。フ…処罰…?ッハハハハハハ! …迫、お前はよもや、響希たちを連れ、福岡を見せた事を言っているのか。 フフフ…捨ておけ。些細な事だ、どうでもいい。 …黙れ。二度も言わせるな。混乱を助長してどうなるというか。 さて…諸君、すまなかったな。では晩餐を続けよう。 >ふざけるな おや…不満か。…なぜだ? お前たちが知ったところで、世界に起きている事実は何も変わりはしないというのに…! >なぜ秘密に? なぜ…無用だからだ、他にどんな理由だと? お前たちが知ったところで、世界に起きている事実は何も変わりはしないのだからな…! >計画文書は? …ほぅ。響希…君もなかなか、手の内を見せないな。 褒めてやろう…まさかあのファイルにまで辿り着く者がいるとは、思ってもいなかった。 そうだ、私は全てを知っていた。 良く聞くがいい…、そんなに知りたければ教えてやる! いいか、この世界を今のような状況に陥らせた元凶は、『ポラリス』だ。 …我々人間が、ヤツの思う秩序に反する存在だったからだ。 ヤツは人間を滅ぼそうとしている。セプテントリオンさえ、ヤツの剣に過ぎないのだ! 不可能だ。ポラリスは『全能の存在』。打ち破るなど夢に過ぎない。 …更に言うなら、よしんばポラリスを倒したとして、この世界はどうなる? 荒廃し、滅びかけたこの世界で、そう容易に、人類が生き残れるとでも思うのか。 >ではどうする >助かる方法は? フフ…簡単だ。私は新たな形で、世界を再興する。 言葉の通りだ。世界に新たなる秩序を与え、生まれ変わらせるのだよ。 …もはやこれまでの秩序など必要ない。 知恵、知識、力、その全てを持つ個体だけに生きる価値がある! クズに生きる価値はないのだ! …私はここに、実力主義を根源とする、世界の創造を宣言する! 無理に従えとは言わんぞ?…だが例え誰も従わずとも、私は私の目的を遂行する。 >どうやって? >世界を創るの? っはははは!疑問か、そうだろうな?さすがにお前でも分かるまい。 …諸君、晩餐を楽しめ。そして、ゆっくり考えるがいいさ。 【この世界の他にも、複数の『世界』が存在する ポラリスの力は、全ての『世界』に及ぶ 並行に存在する幾つもの世界が滞りなく進行するように管理と運営を行う存在 『天の玉座』に座するポラリスの言葉は並行世界の全てに轟き渡り、 その行く末を決定する権限を持つ。世界に干渉する絶対権限を持っている ポラリスが求めるのは生存に値する『種の意思』 強い主張と賛同者を持ち、多くの人心を従える主張であれば『種の意思』と認められる】 (崩壊する日常) …面白そうな事をしているな。クズとじゃれて楽しいか? 黙れ、愚民。次に私の許可を得ず口をきいてみろ…殺すぞ。 …よろしい、やればできるじゃないか?どうした?サッサと消えろ。 …さて、邪魔者は消えたな。 >何か用? フフフ…そう警戒するな、たまたま通りかかっただけさ。 …響希、見ただろう?ヒエラルキーを失った、人間どもの行く末を。 私は期待しているのだ。君は、他の誰とも違う…。 …無理にとは言うまい。だが冷静に考えろ、おのずと答えは出るはずだ。 □局長の誘い ああ、よく来たな…響希よ。待っていたぞ。 >どうも フ…私の意図はすでに読めているようだな。そう、お前と話がしたいんだ。 >何で? お前と話がしたかったんだ。理由は…分かっているだろう。 >ファン? …ッハハハ!恐れ入ったぞ、響希。私が認めただけの事はある。 …先に話した、私の理想は理解したな? >理解した そう言うと思ったよ。相変わらず賢明な男だ…。ますます欲しくなった。 >理想って? とぼけているのか、探っているのか…。相変わらず読めん男だ。 私の創造する、新しい世界の話だよ。実力主義社会の実現だ。 結論から言おう。私の右腕となれ、響希。 私は確信したのだよ。ここ数日の功績から言って、お前の才能は疑う余地がない。 その潜在能力がありながら、どうしてこれまで世間に埋もれていたと思う? …考えるまでもない。これまでの社会の構造が腐っていたからに他ならない。 能力のある者に平均である事を押しつけ、他の馬鹿共と同列に扱い…。 あまつさえそれが美徳とでも言うような価値観を植えつける…。 それが旧社会の実相だ。クズによるクズのための世界…。愚の骨頂と言わざるをえない。 お前は感じなかったか?あの社会が、いかに愚かだったか。 >感じる フ…そうだろう。お前ほどの者なら当然の感覚だ。 >感じない …そうだろうか?それは諦めにも似た感情で、思考停止しているだけではないか? だが…その社会はすでに、この世界には存在しない。お前を縛るものは何もないのだ。 これからは私のもとで、存分に才能を開花させれば良い。 それが響希のためであり、同時にこの世界の未来のためだ…。私はそう確信している。 フフフ…。ゆっくり考えろ。良い返事を期待しているぞ。 □ □札幌の真相 …構わん、続けろ。 フン…用件は何だ? …それがどうした?何か問題でもあるのか? ……。何だ、貴様らしくもない。サッサと話せ…私は忙しい。 …ほう?それは貴様が知る必要はない。管轄外および、越権行為だな。 では、貴様ならどうした? もし…あの時点で北海道が生き残っていたとしたら? …いいか。アリオトを墜とすには、北海道の犠牲は必然だった。 日本全体と日本の一部、天秤にかけるまでもあるまい。貴様なら分かるはずだぞ…迫? ほう…? ならば皆で仲良く、日本と共に全滅するか? ほざくな。どうあろうと、結論は変わらん。貴様の質問に答える意味はない。 何の話かと思えば…くだらんな。いつ私が意見を求めた? …時間を無駄にさせるな。 □ (メール) 伝達事項 つまらん話だが、一応お前に教えてやろう。 先の人間同士が争っていた件だ。 あの程度の事は、残存都市の各地で勃発している。 先ほども、名古屋でクズどもが殺し合ったとの報告があった。 こんな馬鹿どもは即刻排除して、優秀な者が生き残るべきなのは、 自明の理だと思わないか? 判断は君に任せる。