■憂鬱の日曜日 迫、遅かったな。ン…それは? …そうか。なぜここへ? 迫、情報を取るだけでいい。…彼らは民間人だ。 <冷ややかに見ている> ご協力に感謝します。だが…この施設は本来、民間人は立入禁止だ。 できるだけ速やかに退去を。では…。 そうか、ではなぜヤツらが召喚アプリを悪用しないと言い切れる? 迫、人間は力に慣れればやがて悪用を始める。…違うか? 話は終わりだ。彼らを独房へ移せ。 ほぅ…逃げたドゥベを追ってきてみれば…。 大したものだな、ドゥベを倒すとは…。 ム…メンバーが変わったな。欠けた男は死んだか? 迫、手を貸してやれ。…あの少年を下へ降ろすのだろう? …っはははは!安心しろ、君たちへの疑いはすでに晴れたよ。 君たちはドゥベを倒した…。いかなる偶然にせよ、それは賞賛すべき事実だ。 ■激動の月曜日 久世くんか。…峰津院だ。 >なぜ携帯が? ああ、私の判断で君の携帯電話を、我々ジプスの基地局に登録した。 志島くんや…新田だったか?彼らの携帯も、すぐにつながるだろう。 >ありがとう 礼は不要だ。我々は国家組織だからな、この程度の事は造作もない。 …ところで秋江くんにことづてを頼んだが。伝わったか? >今行く 素晴らしい。君たち全員に大事な話があってな。 では議事堂で待っている。 …戻ったか、遅れたな。 すぐ司令室に集合してくれ。 さて…では話を始めよう。 >いつでもどうぞ 君は結論主義者か。そう急ぐな、すぐに話す。 今朝、我々は約束通り、君たちに護衛をつけて、家まで送らせた…。 …結果は知っての通りだ。君たちの日常は破壊され、戻るべき場所はない。 ……。さて、私から提案だ。 先ほどジプス大阪本局と連絡が取れた。私はこれから大阪へ向かう。 >大阪は無事? どうだろうな。自分で見た方が早い。 >自分で? 結論から言う。私に同行し、大阪へ来い。 そうだ。私は君たちに話している。 >分かった 君は賢明だ。では、集合場所を伝えよう。 …では聞こう、志島くん。 待っていれば助けは来るか?元の日常を取り戻せるのか? 東京の様子は見たな?…どう思った? 自分たちではどうしようもない、国が何とかするのを待とう…と。 大方、そんなところだろう。 …仕方ない、か。これまでの世界ならば、それも構わないだろう。 だが、これは普通の災害ではない。ただ待てば誰かが解決してくれる、 という状況ではないのだよ。 淡い期待は捨てろ。…もはや君の人生に一切の保証はないのだ。 もし生き延びたければ…。自ら考え、行動しなければならん。 そして、この災害の原因を探り、解決しなければ我々に明日はない。 …大阪へ行けば、ここに留まっているよりも、新しい情報が集まるだろう。 その中には、あるいは災害の真相に近づく手がかりがあるかもしれないな。 …君たちはドゥベを倒した。有能な人材には、それ相応の機会を与えたい。 さて…私からは以上だ。 自ら行動を起こす気があるならば、10時頃に新橋で待つ。 …いいな?君たちの結論に期待しているよ。 □ジプスの局長 …そうか。まずは被害状況をまとめろ。 そうだ、迅速に行え。 いや…そちらは『始末』する。 不穏分子は想定内だと言ったはずだ。 ああ、その通りだ…任せたぞ。 …久世くんか。 今の話を聞いていたのか? >始末って…? 『始末』…?ああ、なるほどな。 耳ざといな。さすが…と言うべきか。 なかなか明察なようだ。 安心したまえ。先ほどの連絡は、君たちの処遇の件ではない。 そもそもドゥベを倒した者を、今さら監禁する理由はないさ。 あれは召喚アプリの悪用防止策だ。 …唐突に悪魔の力を手にした一般人は、危険なのだよ。 利己的な行動、衝動的な破壊、無秩序な暴走、 混乱の肥大化…。放置すれば、日本の滅亡を招く。 君たちを監禁しようとしたのは、そういう意図だ…分かるな? >なるほど 君が賢明で助かる。やはり、そこらの一般人とは毛色が違うようだな。…では。 □ いや、迫…。ここは私がやろう…。 フン…。こんなものか。 フ…よく来たな。自ら行動する事を選んだか。 >待たせたな …そうだな、人を待ったのは何年ぶりか。愉快なヤツだ。 (専用車両ホーム) ムダな推察はよせ。…行くぞ。 さあ、乗りたまえ。すぐに出立する。 迎えは不要と伝えたが。まぁいい…。 私は本局で会議だ。お前たちは大阪の実情を見て来るといい。 そして自分の目と耳で、災害の真相を見極めたまえ。 それが生き延びるための近道だ。 では、私は先に行く。…また本局でな。 >そうだね …分かるか? 見た目は同じでも、この大阪本局にはジプスの全てが結晶している。 ご苦労だったな、和久井君。 君は通常任務に戻るといい。 フム…この有事だ。力を貸してもらえるのなら、こちらとしても異存はない。 …別室を用意する。そちらで説明を受けるといいだろう。 さて…大阪の状況は見たな。どう思った? >予想もつかない フフ…予想もつかない、か。言い得て妙だ…君は問題を見抜いているようだな。 分からないか。ではこれでどうだ? …別府だ。大分県のほぼ中央にある。 …東京、大阪、名古屋、札幌、福岡、別府。 これまでに報告の上がった、6都市の有り様だ。 違うな。これらは『連絡の取れた』6つの都市の状況だ。 >……。 他の都市とは連絡すら取れん。 海外も同様…つまり全世界で同じ異変が起きたようだ。 …結論から言おう。 いいか…これは有史以来、最悪の大災害だ。 …我々人類は今、未曾有の危機に直面しているのだよ。 >どうすればいい? …不明だ。現時点ではな。 その問いに答えるためにも、我々は少しでも情報を集めたい。 だから君たちを…。 …放っておけ。いずれ覚悟が必要だ。 …動揺したようだな。自ら行動すると決めたはずだが、 やはり一般人には耐え切れんか。 君も考えておけ。自ら行動し続けるか、 全て投げ打って死を待つか…な。 □一般人の価値 …そうか。だからどうした? 守備配置の拡大だと?なぜだ? そのリスクを負うだけのメリットは何だ? それで日本が守れると? 無能を何人助けようと、事態は何も好転しない。 むしろ戦況が悪化するだけだ。 総じて日本の滅亡が早まるだけ…。違うか? …ならば下がれ。私は忙しい。 ああ、君か。…聞いた通りだ。 感情の任せるままに、人々を救出する事はたやすい。 ジプスなら、それも可能だろう。 だが…その分だけ、我々の戦力が削がれていき、 無能な人間は増える事になる。 …分かるな?これまでの日本とは、優先すべき事が違うのだ。 >優先すべき事? …かつてこの国が国民を保護してきたのは、生産力の確保に過ぎない。 だが今必要なのは、悪魔を使いこなし敵を倒す者…。 それ以外の人間に、救う価値など断じて生じ得ない。 …では。 □ …戻ったか。仲間の様子は? >任せとけ その自信…信頼か悪意か。分かった、君に任せよう。 どうやら君だけは、さほど動じていないようだな。 なかなか信用できそうだ。 彼らも君のように、強い心を持ってくれるといいが。 >心配? ああ、心配だ。…この国の未来がな。 …我らジプスは古くより、この国の霊的防衛を担ってきた組織だ。 そして峰津院の血脈こそ、代々ジプスの長として彼らを率いてきた存在なのだ。 >強いから? フフ…それだけではない。私の一族は、古来無二の力を持っていてね…。 …『龍脈』だ。まぁ、知るはずもないな。 >知ってる ほぅ…話が早いな。峰津院は『龍脈』の力を使う一族というワケだ。 私はこの力でジプスをまとめ、国を守るためにのみ存在を許される。 …いわばこの国の影だ。 >助かる(ヤマトは悪戯な視線を向けた) ああ、感謝して欲しいものだ。君たちの暮らしの裏には、我々の命があったのだから。 ところで久世くん…。 ……!何事だ? モニタ、つなげ。ジプス各隊に緊急招集、指揮系統を確立しろ。 ほう…やはり歯が立たんか。 よし…、メラクの進路から人をどかせ。…北は私が片付ける。 久世くん…指揮を任せる。南のメラクを撃退しろ。 >了解だ(ヤマトは満足そうに笑った) よし…他の者は可能な限り彼らをサポートしろ。作戦を開始する。 久世くん、聞こえるか。 メラクの特性を把握したので、伝えておく。 ヤツは円形の子機を排出する。子機は目標座標に到達すると、自爆するようだ。 本体は砲撃を正面にしか撃たん。座標を把握し、仲間を誘導しろ。…以上だ。 …メラクを倒したか。予想以上の結果だ。 >助けに来たの? フフフ…見殺しにするとでも思ったか? …通天閣も無事のようだな。多少、修復は必要だが、すぐに済むだろう。 さて…所用は終えたな。もう東京に帰って構わん。 車両の発車は19時頃だ、それまでは好きにしたまえ。 ■不穏の火曜日 □名古屋支局の失態 フン…そうか。わざわざ来てみれば、まだ復旧の目処さえついていないとはな。 …急げ。これ以上グズグズするな。 …無様だな。そうは思わないか、響希よ? 通信を妨害された程度で、こうも簡単に落ちるとはな。 それも相手は、ただの一般人だ。 …名古屋支局は一体、何を遊んでいたんだ?もはや言葉も浮かばんな。 やはりクズはクズ…。訓練したところで使い物にならん。 >仕方ない 仕方ない、か…。 君にそう言われた時点で、名古屋支局はクズ以下だな。 全く…。余計な仕事を増やしてくれる。 □ >>微かな疑念 君か…響希。ご苦労だった。 >別にいい …大したモノだな。君は暴徒を退け、フェクダを倒して、名古屋支局を奪還した。 …栗木ロナウドに会ったな?何を吹きこまれた。 >実は …おっと、当てよう。大方、ヤツの知人が殺されたとでも話したのではないか? フフフフ…愚かなネズミ。己の身をわきまえず、天駆ける龍に爪を立てんとする。 >否定しない? 必要ないな。鷹に生涯で仕留めた獲物の数を問うようなものだ。 本来、ジプスは他国の長さえ知らぬ極秘裏の存在だ。…ネズミに知る由はない。 もう行け。フェクダ討伐、心からねぎらおう。…ご苦労だった。 ■変容の水曜日 (電話) …響希か、ご苦労だ。メグレズを倒したか。 >他にもいる 問題ない。残りもすでに片付いた。 ……。さて、君の見解を聞こう。 >弱い フム…なるほど。やはり君もそう感じたか。 そうだ、メグレズと名付けられた今回の存在…これまでの3体と比較して、実に脆弱だ。 …何か情報があれば、おって伝える。響希、ご苦労だった。 (本局で対策会議:峰津院局長から、君を呼ぶようにと>マコト) メグレズ対策会議 …以上が状況だ。そして響希が得た情報から、我々が分析を重ねた結果…。 例の『芽』は、メグレズ本体から発生し、射出されるという事が分かった。 災害の初日、我々が遭遇したドゥベは、どうやらこの『芽』が成長したものだろう。 >本体はどこ? …我々の測量で『芽』の射出地点を割り出したところ、メグレズ本体は、太平洋岸にいる。 >海の中? そうだ…深度に関しては計測中だ。詳しいデータは手元にない。 いずれにしろこのままでは、本体には手出しができない。現在、対策を考案中だ。 それが決まるまで、各自『芽』を発見次第、報告の上で迅速に処理しろ。 根本的な解決ではないが、あの地震を放っておけば、致命的な被害を被るからな。 …以上、解散だ。 響希、良く来た。道中ご苦労だったな。 >死にかけた ハハハッ…そう気を落とすな。君が生きていて何よりだ。 …さて、話は聞いたな。各地に出没している『芽』は、局員が随時対処する手筈となった。 そのため迫、菅野、柳谷は、しばらくの間そちらで使う。一次掃討戦は15時頃までだ。 『芽』の残存戦力は不明だが、ある程度までは局員だけでも対処可能だろう。 そこで…だ。君たちには別件を頼みたい。 >いいよ フ…話が早いな。では君に一任しよう。 …昨日、名古屋で暴動があったな?実は先ほど、東京や大阪でも、一般人の不穏な動きが報告された。 『芽』の対処中に、昨日のような事があれば面倒だ。 そこで君たちジプスの協力者には、一般人の様子を探って来て欲しい。 そして、問題があれば対処を頼む。 >対処って? 手段は問わん。我々の邪魔をするならば、生命の保証をする必要もない。 …メグレズ本体の対策は、じきに伝える事ができるだろう。それまでの間、頼んだぞ。 ああ、それと…。後で少し話がある。時間が空いたら私の所に来てくれ。では…。(優雅に礼をして去る) (ヤマトの尋問) 響希、来たな。すまない、探させたか。 >話って何? ああ、そうだな。では少し話をしよう…。 回りくどいのは億劫だ、率直に聞こう。…例の男から何を聞いた。 >誰? 君が東京でメグレズの情報を仕入れた男だ。 …なぜ、ヤツは君の前に現れた。 >なぜかな? ……。なるほどな…、思い当たる理由はないか。 では、その男についていくつか聞かせてくれないか。 …なるほどな。まぁ…違いあるまい。 >何が? フフ…気にするな。いずれ分かる。 響希、その男が私の知る男なら、ヤツは再び君の前に姿を現す。だが…油断するな。 ヤツの力は強大だ…心を許せば、お前はヤツに惹きこまれる。 >正体は? 必要があれば、私から話しているとは思わないか?知らずにおけという事さ。 …率直に言おう。私は君たちを買っている。 まさか一般人の中から、セプテントリオンを倒す者が現れるなど…正直、予想外だ。 特に君だよ、響希。私の見る限り、君が要となって、仲間たちの力を引き出している。 …興味深い男だ。いや…あるいは危険な男、か。 >ほめ言葉か フフ…そうだな。この私が認めているんだ。 君がどこまでやれる男か、楽しみにさせてもらうぞ。…では。(愉快そうに去る) □局長の失望 …状況を伝えろ。 原因は? ……。そうか、分かった。 分かったと言っている。報告は以上か? 不要だ、下がれ。 二度も言わせるな。…行け。 ……。 >優しいね …そう思うか?他者への叱責など、期待の裏返しに過ぎん。 それさえない者に…、かける言葉などありはしない。 ジプスの局員は、霊力があり、各界で優秀な実績のある者をスカウトして構成している。 だが所詮は現代人…。少々訓練した程度では、知能も霊力も期待できん。 ただ他に駒がないから使っているだけの事…。ただ、それだけの話さ。 しかし解せないのは…君だ。一般人の身でありながら、驚異的な結果を出している。 どこでそのような素養を身につけた?ぜひ聞きたいものだが。 >才能だろう フフフ…そうか。特殊な訓練を受けず、この数日の戦いの中だけで…。 君の中に眠る才能が開花し始めたと言うわけか。面白いぞ、響希。 …どこまで私の予想を覆し続けるか、楽しみだよ。…では。 □ (デルタ浮上戦) よくぞ集まった。ターミナルが復旧したとは言え、各自、奮戦の事と思う。 先刻、主要なメンバーを集め新たに襲来したセプテントリオン、『メグレズ』の対策会議を行った。 結果、諸君らの倒した『芽』はメグレズの末端に過ぎず、本体は太平洋岸にいると判明し…。 我々はこれを討つべく、その方法を検討中だった。…が、戦況が変化したのだ。 我々の測量によれば、メグレズは現在、深海を上昇中…。間もなく海面へと浮上するようだ。 …さらに浮上中のメグレズは、全部で3体いる事も確認された。全て同時に動き出したようだな。 座標は、東京、大阪、名古屋だ。それぞれの沿岸に現れた後、タワーを目指すものと思われる。 >なぜタワー? …響希、もっともな疑問だが、一刻を争うのだ、すまないが後にしてくれ。 いいか…3体のメグレズは、例の『芽』と同じように、互いを補完する関係性にある。 >厄介だな …ああ、そうだ。全くこざかしい。 …話のペースが乱れる。志島、迷惑だ。 まぁいい…つまりメグレズ1体を倒しても、残った2体が倒した1体を再生するという事だ。 それが作戦の要さ。いいか、我々は部隊を3つに分け、3体のメグレズを同時に攻撃する! >だろうな ああ。迫、志島、新田、秋江は、東京港のメグレズを。 九条、和久井、柳谷は大阪港へ。伴、菅野、鳥居は名古屋港だ。 …質問はあるか。 >新手のいじめ? フフフ…。すまんな、誤解させたようだ。 君には参加する部隊を選んでもらうつもりだ。その意図は分かるな? ドゥベ、メラク、フェクダ。これまでの経緯を鑑みるに、ヤツらを殲滅できたのは…。 君の判断力によるところが大きい。そこで今回の作戦も、君に一部の判断を委ねようというわけだ。 不服はあるまい。では…君はどこにつく? おや…そうか。では大阪の指揮は響希に任せよう。 いいか、この作戦は3体のメグレズを同時に倒し、はじめて成功となる。 …機会は二度とない。各自、他都市の状況を把握し、同時撃破につとめろ。 では、各自の健闘を祈る。作戦開始だ…! …準備は整ったな。各員、ご苦労だった。 よし…構わん!ヤツの息の根を止めろ! 響希、私だ。メグレズ討伐、ご苦労だ。 >成功か? フ…私が指揮をとり、揃えるべき駒は揃えた。失敗する理由が見当たらん。 メグレズは完全に消滅した、仲間たちと、勝利を喜びたまえ。…以上だ。 □局長の疑問 ほう…感心だな。 勉強熱心じゃないか、志島。 しかし、そのデータは古くてな。最新のデータを持って来させよう。 ……?君は帰国子女なのか?ごく単純な日本語の表記だが。 高校?いや…教育機関に属した事はない。 大学程度の知識なら、幼少の頃に習得している。 専門分野で疑問があれば、学者を招き、講義をさせる。峰津院家とは、そういう所だ。 友達…だと? 大した問題ではない。君の言う…サッカーか。そんなもの、私には不要だ。 …ドッジボールも、だ。 …何? ……。一般人の生活だと…? >楽しいよ そうか…。君がそう言うなら、検討する価値があるかもな。 >つまらない 君は志島と違うのか?フ…やはり君は特別なようだな。 だが君のような〜 >教えてやる フフ…そうか。私が一般人に教えられるのか?それもまた一興だな。 確かに君のような〜 君のような人間が特殊な訓練も受けずに現れたのは、紛れもない事実…。 ……。市井の生活の中に、君を輩出するだけの何かが…? フン、まさか…な。 □ □マコトの釈明 …そうか、逃したか。どうりで不自然だと思ったが。 フフフ…。なるほどな…。お前らしい失態だ、迫よ。 フ…構わんさ。好きにさせておけ。ヤツなど最初から眼中にない。 魚が一匹跳ねたところで川の流れは変わるはずもない…。時期が来たら消すだけだ。 …ほう? フン、何を言うかと思えば…。ならば迫、お前も好きにして構わんぞ? お前の能力は認めている。が…ジプスに賛同できぬ者を、無理に引き留める理由はない。 …そうか、分かった。まぁ好きにすればいい。いずれ選ぶ時が来るさ。