ナオ主小ネタ





◆ナオ主 ●貴方はナオ主で『隣の人』を  お題にして140文字SSを書いてください。 隣に立つ従兄を見る。 色んな人にオレと従兄はよく似ていると言われる。 幼い頃は兄弟のようだと言われれば無邪気に喜んだ。 今は少し違う。 「やっぱり似てないよ、オレとナオヤ」 ぽつりと呟くとナオヤは笑う。 「似ているさ」 俺の弟だからな、そう口にするナオヤは オレの知るナオヤではないように見えた。 ◆ナオ主 朝目覚めると布団が不自然に盛り上がっていた。 掛け布団をめくるとそこには猫のように丸まって眠る従弟の姿。 どうやらまた潜り込んできたらしい。 手を伸ばして柔らかな髪を撫でるとくすぐったそうに小さく喉を鳴らす。 目を細める。今は優しい眠りの中に、愛しい弟よ。 ◆ナオ主 ●貴方は従兄弟で『未練たらしい』をお題にして140文字SSを書いてください。 オレには欲が無いとナオヤは頻繁に口にするようになった。 オレがベルの王にならなかったことが本当に残念だったようだ。 正直に言えばナオヤの言うとおり王になることも考えたけど。 こんな風にナオヤとコタツに入ってミカン食べてのんびりする今、 選択は間違ってなかったとオレは思うんだ。 ◆悪魔制御後ナオ主(R18) ナオヤの眼が、自分ではなく自分の中の別の何かを見ている気がして、 それが嫌でオレはナオヤの手を取らなかった。 ナオヤにオレ自身を見てほしかった。 その想いが、従兄に向けるべき感情から逸脱していると気づいたのは、 あの封鎖の日々、決断の夜のことだ。 「…オレ、間違えた、気がす、る…っ」 本当に今更ながら思う。 呼吸を整えながら、途切れ途切れに呟くオレのなかには他人の、ナオヤの熱。 信じられない場所を時間をかけて解されて、弱腰になって泣き言を漏らした時には既に遅かった。 すっかりその気になったナオヤは強引にオレを貫いた。 そもそも仕掛けたのはオレなので文句は言えないけど。 「自らの行動には責任を持てと常々言っているだろう、お前が望んだ結果だ」 そんなこと言われなくても分かってる。 ナオヤは確かめるようにオレの顔を何度も撫でた。 欲に滲んだナオヤの眼を真っ直ぐに見つめる。 この行為が始まったばかりの時はまだ自分を見ていない気がして悔しかったけど、 少しずつ、ナオヤの内面が変わっていくのを感じた。 それは触れ合う肌や、オレを呼ぶ声、それから、欲に染まっていく表情に。 今まで見たことがないナオヤの顔。初めてオレを見てると思ったら、堪らなくなった。 ナオヤがオレの名前を呼んで、口付けてくる。 涙が溢れて目を閉じると、優しく拭ってくれた。 身体を揺すられて、あ、と声が零れる。 ナオヤのものがオレのなかでまた硬く張り詰めてくる。 「なお、や」 「もう一度、だ。俺に自覚させたんだ、責任はとってもらうぞ」 目を細めて笑みを浮かべるナオヤは、オレの返事を聞く前に遠慮なく身体の奥を突き上げてくる。 必死にすがりつけば、耳元で甘く囁かれた。 「俺は、お前を愛そう」 絡み付くような重い告白にオレの心は満たされる。 「んっ、オレ、も…っ、ナオヤ、ずっと…っァ!」 ずっと傍に。それはきっと叶わない願いかもしれないと、 どこかで思いながらも願わずにはいられなくて。 オレを貪るナオヤの全てを受け止めるように抱き締める。 言葉にならないこの想いが全て、ナオヤに伝わるようにと。 【メモ】 ●カインはルシファーとイブの間に生まれた。 ●カイン=サタン 「主はサタンに言われた。『お前はどこから来た』 『地上を巡回しておりました。ほうぼうを歩き回っていました』 とサタンは答えた。」 地上を彷徨うカインの姿はサタンの姿と一致する。 ●カインは人類初の「人間ルシファー」であり、「初代・反キリスト」 ●7歳までは神のうちっていうけど、ナオヤの場合は7歳になっても人間になれないのかなーとか。 呪いのせいでずっとカインだから、永遠に神の子。 あれだけ嫌いながらも子であることから逃れられないって、そりゃー拗れるよなとか。 ◆ナオ主 ●貴方はナオ主で『幸せにするよ』をお題にして140文字SSを書いてください。 「幸せにするよ、ナオヤ」従弟は笑う。 「俺を理解していると?」目を細め言葉を促すと従弟は更に笑みを深めた。 「どうかな、でも何をすれば喜ぶかは分かってる」期待して待ってて、従弟はそれだけ言うと背を向ける。 黒いマントが翻る。その手を咄嗟に掴んで胸に引き寄せた。弟よ、お前の存在が俺の幸だ ◆ナオヤ誕 多分殺戮ルート的な。 「ナオヤ、誕生日何か欲しいものある?神の首以外で」 「無いな」 会話終了。ナオヤがキーボードを叩く音だけがサーバールームに響く。 予想通りの反応にオレは小さく息を吐いて、パソコンに向き合うナオヤの背にもたれかかった。 全体重をかけて邪魔する。暫くするとナオヤは折れた。 「やれやれ…お前は変わらないな」 「そんなのお互いさまだろ」 そう、オレ達はもう変わることは無い。 オレは魔王になったあの日から、ナオヤはオレがその身を魔人に変えてから。 ふいにナオヤが身体を反転させ、体重を預けていたオレの身体はナオヤの腕の中におさまった。 「何が望みだ」 「それ、オレの台詞」 「俺の望みなど、とっくに分かっているだろう」 「…神を倒すのはまだ時間かかるし、他に無いの?」 何度もナオヤの誕生日に繰り返された問答。 だからその後に続く答えもきっと変わらない。 クク、と喉を鳴らしてナオヤがオレの髪を撫でる。 「神殺し以外の望みは既に叶っている。俺の…魔王」 アベル、そう愛憎を込めてオレを呼ぶナオヤを受け入れられるようになったのは最近だ。 オレであってオレでないその存在は、ナオヤがナオヤであるかぎり切り離すことは出来ない。 「……じゃあ今年もプレゼントはオレでいいの」 複雑な気持ちを飲み込んで、素直にナオヤの胸に額を押し付けて甘えてみせる。 「フフ…魔王にも休息は必要だろう」 「よく言うよ、休息させる気なんてないくせに」 顔を上げて伸び上がれば、近付くその唇に自分から口付ける。 「…ハッピーバースデイ、ナオヤ」 オレだけは、ナオヤの存在を祝福し続けるよ。 何度でも、何度でも。 神を討つ、その日まで。 願わくば、神を討ったその後も。 ◆11/23いい兄さんの日 良い兄さんって言えるのかもなと親友が感慨深く呟く。 あの夏のこと忘れたの!とユズが怒り半分呆れ半分、オレも頷いて親友を見ると、 巻き込まれたけど最終的に意思尊重してくれたし、こうして元の生活に戻れただろ、 そう言って笑うので、なんだかんだ言いつつオレの親友はナオヤさんが好きなんだろうな。 ジンルートっぽいナオ主で良い兄さんの日。このルートではナオヤ姿消しそうな気もするし、 何食わぬ顔で普通の生活に戻ってそうな気もする。 ほとぼりが冷めるまでどこかに行ってて色々手を回してある日ひょっこり帰ってくるというのもアリかな。 ◆ナオカズ(コミック) ベルの憎しみが、痛みが、痛みが、苦しい、熱い、痛い……!! 意識が混濁する。悪魔が囁く。悲鳴が聞こえる。 暴風雨のような様々な者達の様々な感情に押し潰されそうで。 届くのは、語りかけてくる従兄の声。 俺ではない誰かに語りかける兄の声。 否定したくて、その感情が制御できない力を暴走させる。 そんな俺に怯みもせず対峙するナオヤ。 ナオヤが何か、話している。 ナオヤではない、俺の知らない誰かの話。 その声が、差し出された手が、まるで俺を救ってくれるような気がして、 その手を取ろうとした俺の耳に、凛とした声が届いた。 「カズヤ!!」 俺を、俺の名を呼ぶユズの声。怖がって震えていた彼女はもういない。 しっかりと自分の足で立って、俺を呼んでくれる、引き留めてくれる。 「ベルなんかに負けんなよカズヤ!!」 頼もしいアツロウの声。いつだって傍にいてくれる、俺の親友。 ベルに抗う、この封鎖で出会ったみんなの声が―――俺に力をくれる。 俺は、俺だ。無意識にナオヤへと向かう力を抑えつけて、 それでも地面へとナオヤの身体を叩きつけた俺に、ナオヤが言った。 「――殺せばいい」 馬鹿だな、ナオヤ。でも、その言葉で完全に目が覚めた。 ナオヤが何を求めているのか、願っているのか、理解なんてしない。 ナオヤの胸に拳を叩きつける。人としての拳を。 「俺は弟(アベル)じゃない」 初めから駒にするつもりだったなら、どうして俺に道を選ばせた。 俺にナオヤへの家族としての情があるように、ナオヤにそれが全く無いなんて言わせない。 ああ、俺たちは似てるよ、ナオヤ。 いつだってナオヤは勝手に決めて、今回の封鎖の件は今までで最高に最悪だ。 でも、俺だって。勝手にナオヤを連れて帰ると決めた。 ナオヤがどんなに嫌だって言っても、計画通りにならないなら俺に殺されたかったのだとしても。 ナオヤの願いは叶えない、この勝負、俺が勝って、俺の願いを叶える。 繋いだ手は離さない、みんな、みんな大事だから。