■ナオヤの誘い …来たか、一哉。 ここは俺の家だぞ?俺がいて不都合はないだろう。 さて…時間もない事だし、話を進めようか…。 封鎖はすでに6日を迎え、人々は悪魔に苦しめられてきた…。 政府の定めたタイムリミットも、すぐそこまで迫っている。 だがな…、この状況が生まれたのは、何も悪魔のせいだけじゃない。 封鎖を指示したのも、リミットを定めたのも、政府の裏にいる天使どもだ。 …つまり、人間を苦しめているのは、悪魔だけでなく、天使も同じだ。 さて…一哉。この状況に抗するためのカードは、お前の手元にある。 >どんな? いくつも、あるだろう? 人間の力で悪魔に対処する選択、 天使の言葉に従い、救世主となる選択…。 …だがな、一哉。それは切り札じゃない。 俺の考える最良の選択は、お前がベルの王となる事だ。 >ナオヤのお薦めは? フフ…ずいぶんと素直じゃないか。 では言おう、一哉。俺の考える最良の選択は、お前がベルの王となる事だ。 >なぜだ? …この封鎖を解除したいのだろう? お前がベルの王となり、政府に交渉を持ちかけるんだよ。 >それで封鎖は解除される? …魔王の力を使えば、悪魔を従える事は容易だ。 その力を使って、封鎖を行っている連中と交渉する事も出来るぞ? >魔王の力で脅す? …そうだ。魔王としての力を政府に見せつければ、連中は交渉に応じざるを得まい。 >交渉に応じるかな? フン…魔王の力を前にして、無能な政府に何が出来る? 万が一にも、愚かな政府がそれを拒否するなら…、悪魔に命じて、封鎖など潰してしまえ。 山手線内に悪魔を留めておけないのなら、この封鎖も、そして最終決断さえも、 奴らの手札は全て無に帰すのだ。いくら無能な日本政府でも、国民をムダに殺しはするまい…。 …だが、封鎖の解除だけではない。俺が一哉に、ベルの王を勧めるもう1つ大きな理由がある。 >それは何? 俺はな、一哉。神の試練そのものを…永久に排除する。 >世界征服? フッ…ベルの王になればそんな事は容易かろう。 …だが、俺の狙いは違う。俺はな、一哉。 神の試練そのものを…永久に排除する。 >出来るのか? フフ…お前の前にいるのは誰だ?俺に不可能などない。 >最高です フフ…分かるか?それは連綿と受け継がれて来た、人間の悲願でもある。 従弟よ…神の課す試練は、これが初めてだと思うのか? 例え、人の力で悪魔を退けたとしても、魔界や悪魔の存在が、永久に消え去るワケではない…。 他の誰かが悪魔を喚び起こせば、その時、神は再び同じ試練を人間に課すだろう。 天使に従い、神の望みを叶えたとしても、人がまた道を踏み外せば、また、別の試練がやって来る…。 …現に、奴はかつて人の築いた英知の塔の存在を良しとせず、言語によって人々を分断したではないか。 分かるか…一哉。人間を苦しめる根本的な存在は、誰だ? >分からない フフ…分からないか?では教えてやろう。それは…神だ。 >…神だ フフ…上出来だ。 全知全能と讃えられ、天の高みに君臨する神こそが、人を苦しめる元凶に他ならない! …一哉、お前が神に討ち勝ち、人が奴の駒ではない事を示せば、神の試練など、二度と訪れる事はない。 >神に打ち勝つ? 文字通りだよ、神を討ち滅ぼすのだ…。 >二度と…? そう、二度とだ…、お前が神を討ち滅ぼす。 神そのものに勝利する事は、 人間たちの足かせを取り除き、永久の自由を保証する事に等しい。 一哉…確かに人間は、神によって形作られた。…だが今や、人間たちの力の前には、神の加護など不要。 親が子を手放すように、我々は今、神の束縛から、解き放たれなければならない! …一哉よ。真実の自由を手にするために、お前が神と戦うのだ! >なるほどね >神は不要? 自分たちの姿を見てみろ…。 お前たちは、神さえも見捨てたこの封鎖の中を立派に生き抜いた。 むしろ神こそが、明日この東京に訪れる滅びの原因に違いないではないか! …一哉、神の時代は終わったのだ。今こそ、人の時代を作らねばならない。 >勝てるかな? フフ…不安だろうな、当然だ。 心配するな、俺が協力してやる。 それとも何だ…?俺は勝算もなくお前を死地へと追いやる、非道な兄か? お前がベルの王となれば、神を討ち破る事も、不可能ではない。 さぁ…心を決めろ、一哉。 …ほぅ、別に構わないぞ?誰が王になってもな。 だが…人間の中で、ベルの王位争いに参ずる資格を得たのは、一哉だけだ。 となると…、他に王になれる可能性があるのは、ベルの名を冠する悪魔だけだな。 …いいのか?悪魔はCOMPの支配を離れ、この世界は地獄と化すぞ…? …分かるか?それを止められるのは、一哉だけだ。 ベルの王となり、悪魔を束ねる事は、人間を救う事にもなるのだよ。 …良く考えろ、一哉。 お前が救わねば、人間に未来はない。 明日になれば、神の手によって、多くの人間が命を奪われる…。 …今夜、もう一度会おう。それまで、心を決めておけ。待っているぞ。 ■決断(ナオヤ) チャラ男:…キミが心を通わせ、共に運命の道を歩みたい存在と、一緒に歩んで行くといいよ。 …来たか、一哉。 面白い人材を見つけたので、声を掛けておいた…。 お前たちとは、顔見知りのようだな? カイドー:フン…コイツがオマエの従兄だろ?どうりで頭がキレるはずだぜ、バケモノ一家め…。 …一哉、魔王となる覚悟は出来たか? お前がが魔王になれば、封鎖は解かれ、人間たちは救われる…。 だがその反面、封鎖を指揮する天使たちや、その頂点に立つ者も黙ってはいないだろう。 >頂点に立つ者とは? それは…『神』だ。 >神だよね? そう…『神』だ。 この世界を統べ、人間に不条理な試練を課す、天使たちの主だ! …悪魔の力を用いてこの世界に覇を唱えれば、必ずや奴らは介入を試みるだろう。 つまり…神の呪縛を解かぬ限り、お前たちの願いは、決して叶わないという事さ。 フフ…ブッ飛ばして終わりじゃないぞ? 魔王になれば、この世界など簡単に牛耳る事が出来る…。 その気になれば、全てが手に入る。金も、食いものも、何もかも、お前たちの思いのままだ。 もっとも…金は役に立たんがな?クックックック…! さて…一哉。では聞こう、…王となる決心はついたか? >それよりアツロウに協力を! …協力だと? …見事な推察だ、ほめてやろう。 だったら自分でサーバーへ行け。そしてプログラムを書き換えればいい。 …なぜ、お前は制御にこだわる? 一哉が魔王になれば、そんな必要もなくなるぞ…。 …力なき者のたわ言か。諦めろ、俺には興味がない。 一哉…覚悟を決めたら、ここへ戻って来い。…お前に、他の道はない。 フフフ…それでいい。従弟は素直が一番だぞ…? さて…一哉。では聞こう、…王となる決心はついたか? >もう少し考えたい …そうか。まぁ、ゆっくり考えろ。期限は明日までだからな…。 >王を目指す クククククッ…! いいぞ…それでこそ、我が従弟だ! >考え直す やれやれ…。女は身を滅ぼすぞ、一哉。俺はここで待っているからな…。 …放っておけ。替えの利かない人材など、この世にはいない。 友人とは、取捨選択するものだ。仲間割れほど、非効率的でナンセンスな事はないからな。 アツロウ:一体、ナオヤさんは何がしたいんスか! カズヤを魔王にして、何の得があるっていうんスか!? 何だ、不満か?従弟に悪魔さえ牛耳る最高の権力をプレゼントしようというのに。 >やり過ぎ >満足だ フフ…そうか。いずれにしろ、人類にも多くのメリットがあるぞ。 人が悪魔の頂点に立てば、悪魔は人類に危害を加える事もない。それどころか、悪魔を利用できるのだ。 それでも不満なら、悪魔を人間界から撤退させればいいだろう。 …どうだ?魔王になるという選択も、あながち悪いものではないだろう。 …それは交渉次第だろうな。だが、統率された悪魔の武力を前に、首を横に振る愚か者がいるか? そんな事をすれば、どうなるか…。 いかにバカな政府でも、それくらいは分かるはずだ。 さて…。他に何か、聞いておきたい事はあるか? >リスクの確認 …リスクがあるとすれば、神を相手にする事くらいだな。 だが、神との戦いを制した暁には、人間が神の束縛から解放され、真実の自由をその手につかむ事になる。 もちろん、奴に勝つ算段もある…。俺が手を貸すんだ。お前は安心して、魔王になればいい。 >特にない やれやれ…心配性だな。安心しろ、やるべき事は全て計算済みだ。 …俺はそのために、少し調べるものがある。朝には戻る…ゆっくり休め。 さぁ…明日は、いよいよ総仕上げだ。一哉をベルの王にするための、最後の幕が開くぞ…。 カイドー:人、ね…。オレにはバケモンに見えたぜ。 アイツは頭がキレ過ぎる…。かなり得体が知れねぇぞ? ■決断(カイドー) ナオヤ:面白い。…いい傾向だ。 一哉にもようやく、野望の芽が芽吹いたか。 初めまして、カイドー君。一哉の従兄のナオヤだ。 COMPを使って、世界を征服する気なんだろう? 残念だが、それはムリな話だ。 フフフ…COMPの機能で、制御できる悪魔には限りがある。 例え現存する全てのCOMPを集めたとしても、この世界に現れた 全ての悪魔を制御する事は…不可能だ。 >確かにそうだ フフ…理解が早くて助かるな。 さて…。では全ての悪魔を従わせる方法があると言ったら…どうする? …俺の言いたい事は、もう分かるな、一哉。 >分かる 簡単な話だ…現在この東京で続くベルの王位争いに勝利し、一哉が魔王となればいい…。 フフフ…カイドー君、やめた方がいいな。魔王になれるのは、一哉だけだ。 カイドー:チッ…!一哉ン家はバケモノだらけだな?人の心まで読めンのかヨ…。 フフ…バケモノとは心外だな。 一哉はすでにベル・デルを倒し、その身に力を宿している…。 すでに残るベルの数は、わずかだ。ベルの力は収束を始め、その加護は日増しに強くなっている。 生来、ベルに祝福された者のみが、ベルの力をその身に宿し、王となる資格を得る事が出来るのだ。 カイドー:だったら、オレは構わねぇ。コイツと約束した事だからな…。 フフフ…ずいぶんと信頼されているようじゃないか、一哉。良い友人を持ったものだ。 …それと、もう1つ。お前が魔王になってこそ、封鎖内の人間は救われるのだ。 …俺の言葉を、憶えているだろうな、一哉? 魔王の力を見せつけ、封鎖を行う連中を交渉の場に着かせろ。 …他に封鎖を解除する道はない。 だが…魔王になる道を選ぶなら、1つだけ、覚悟しなければならない。 >神との戦いか グッド…その通りだ。 お前が魔王になれば、封鎖は解かれ、人間たちは救われる。 …だがその反面、封鎖を指揮する天使たちや、その頂点に立つ者も黙ってはいないだろう。 >やっぱり神か …いい洞察力だな、一哉。正にその通りだ。 …これは誇るべき事だ!一哉、俺の言葉を憶えているか? お前が神に勝利する事は、人間たちの足かせを取り除き、その鎖を断ち切る事に他ならない。 お前がその偉業をなし得れば、二度と…神の理不尽な試練など、甘んじて受ける事はない! そして人間は…、永久に、真実の自由を手にする事になるだろう…! カイドー:世界で一等、偉ぇ奴とタイマン張るチャンスなんざ、そうそうあるモンでもねぇ。 …生涯でたった一度きりのチャンスだぜ?オレはこの賭けに乗る。あとはオマエ次第だ、一哉! >ちょっと考えたい カイドー:…ああ。待ってるからヨ。 フフフ…、戻って来たな、一哉。 カイドー:よぉ…一哉、心は決まったかヨ? 生涯でたった一度きりのチャンスだぜ? >考え直す カイドー:…んだヨ、そりゃ。オマエ余裕だなぁ?この状況で、まだそんな冗談言えンのか。 …まぁ、待ってるからヨ。ゆっくり考えろや…。 カイドー:…当たり前なンだヨ。世の中全員に愛される方法なんざ、どこにもねぇ…。 それでも、ごまかしたりせずに何かを掴みてぇなら、代わりの何かを捨てるしかねぇンだ。 ツレぇだろうがヨ…、世界ってのは、そんなモンだ。…ヨロシク頼むぜ。 ナオヤ:…おめでとう、一哉。良くぞ自らの手で、未来を選び取ったな。 アツロウ:…その選択をさせたのは、ナオヤさんじゃないっスか。 一体、ナオヤさんは何がしたいんスか!カズヤを魔王にして、何の得があるっていうんスか!?