■オオクニヌシの試練 永遠の罰から救う 国譲り アツロウ:って言ってもなぁ…。 あの人、多分オレたちが思うより、全然キツイ人生を送って来てるだろ? …色んな事考えて、結果、神様に復讐しようって思って、 オレたちにCOMPを渡したんだぜ。 >不器用な人だ >ナオヤに感謝 アツロウ:アハハ…!確かに素直じゃないもんな、あの人。 …下らん。お前たちに手を貸す義理はない。目障りだ。 >ナオヤから離れろ >殺すぞ ……!?お前たち…。 …失せろ。俺に用はないはずだ、恩でも売りに来たか? >買ってくれ フフフ…なるほどな。さては何か困り事か? >用事が出来た …何だと?フフフ…なるほどな。さては何か困り事か? フン…何が違うというのだ。この肉体に与えられた名が、ナオヤというだけだろう。 …俺の本質は永劫に変わらん。前世も、今世も、来世もな。 >どうして変わらない? お前の好きな神にでも聞くといい。俺に永遠の罰を与えたのは、他ならぬ、あの神なのだからな。 お前には分かるまい…。いや、分かる必要もないさ。永劫に生きる事の苦痛をな。 >変わろうとしよう …お前には分からんだろうな。神に愛され続けるお前には、分かるはずもない…。 >努力する ほぅ…分かる努力だと? キレイ事を言うものだ、さすがは救世主様だな。 >分からん ハハハッ…決して分かるまい!歩んできた道が違うのだからな。 あるいはお前が、俺が望んだように魔王となり、 神を倒す道を選んでいれば、少しは理解する事も出来たかもしれん。 だがお前は、それを拒絶し、神と共に歩む道を選んだ。 …今さら何の用がある。 >ナオヤを助けたい …俺を助ける?お前が、俺を助けるだと? ッハハハハハハ…! 面白い…やってみせろ。さぁ、どうするんだ? …お前には分かるまい。俺が神に受けたあの屈辱も、日ごとに増すこの苦痛も! 貴様などに分かるはずもない。俺の事を理解できるのは、 世界でたった独り、この俺だけだ。 …失せろ。これ以上、俺に付きまとえば、殺す…。 >……。 話は終わりだな?では、俺は行くぞ。 …何だと言うんだ。サッサと話せ。 >変化を拒んでいる >理解を求めている ホンダ:全知全能であるはずの神は、なぜカインに殺人を犯させたか カインは殺人の加害者ではなく、神の行いによる犠牲者 人間に教訓を与えるためには見せしめを作る 多くの人間に学ばせるために、一人の人間を見せしめにする 神はそれを行う存在 ■メモ 神によって生み出された最初の人間、アダムには何人かの息子がいた カインはそのうちの一人、アベルの兄 カインは地を耕し、農作物をつくる事に自らの生きるべき道を見出し アベルは羊を飼い、それを育てる事に生きるべき道を見出した 神はカインとアベルに自分に対しての供え物を、供えるように命じた カインは畑でとれた作物 アベルは丸々と太った羊の初子 神はアベルの供え物を喜んだ これに理不尽さを感じたカインは怒りに顔を伏せ、その怒りがアベルを殺す動機 神はアベルはどこかと問うた カインは『知らない。自分は弟の番人ではない』と言い放つ 罪の自覚が無い 世界で最初の殺人、確かに悪い事をしたという自覚さえ無い 大地がカインの犯行を教え、殺人は露見する 神は、カインに永遠の時間と、カインを守る『7倍の復讐』という呪いをかけた 殺人者カインを殺そうとする者は、その7倍の復讐を受ける 復讐の怨嗟は終わらない 復讐に復讐で応じないように カインはその身の安全を得ながら、永遠に罪と向き合う事になった 国を追われ、永遠に放浪する身となった 自らの罪を永遠に忘れない事 カインへの試練 カインが罪を犯した事を罰するより、犯した罪とどう向き合うかを求めた 農耕者であるカイン。羊を求められた時、その状況に怒りを覚えるべきではなかった 怒りを覚えたからといって殺人を犯すべきではなかった 殺人を犯したとしても、それを隠すべきではなかった これらはカインに対しての一連の試練 最後に国を追われ、その一連の試練から何を学ぶか 現在も続くカインの試練 アベルが殺されることも組み込まれていた 神の真意 カインが悟る日まで永遠に続く罰 神はカインを見捨ててない ヨブ記 神の期待に応えた男 殺人の罪を犯したカインがその罪に向き合い、悟る事が出来れば 人々の大いなる希望となる どんな罪人でも、最後には悟り、悔い改める事が出来る その証明を神は求めている カインは永遠に生きるという罰により悟りへといたる機会を与えられた アベルは殺され、悟りだけではなく、全ての事柄について考える機会を奪われた 神の子アベル 自分が殺された事を恨んではいないか? 恨まない 積年の恨み 実感ないよ? アベルはカインに殺され、全ての機会を奪われた恨みから、魔界へ堕ち、ア・ベルとなった 記憶さえ持たないという事はすでに恨みを捨てたのかもしれない …懲りない連中だ。こんな所で油を売っている場合か? (ユズ:どうすればカインの罰が終わるか知ってますよね?) ……。フン、それがどうした? (分かってるのにどうして実践しない?記憶を持ったまま生まれ変わる罰なんて) フン…くだらん事を。俺にとってこの永遠の時は、都合がいいからな。 何度でも生まれ、無限の知識を蓄えて、…必ず、神を殺してやる。 >神『も』でしょ? …ほぅ、言うようになった。 俺がお前を殺した事を、皮肉っているのか? >そんなに憎い? ッハハハハハハ! 何という愚問…何という浅はかさ。憎しみなどという言葉では生ぬるい! 確かに俺はこの手でアベルを殺した。 だが…それをさせたのは神だ! ヤツは全てを知っていながら、お前を愛し、俺を侮辱した! 平等ではなく差別されたのだ! …俺に殺意を抱かせたのは神だ、俺には神に復讐する権利がある! (アマネ:神はあなたに罪を犯す前に踏み留まれとも言ったはず) ッハハハハハハ…! 自ら切っ掛けを作っておいて、俺に踏み留まれだと!? ではなぜ、ヤツはわざと俺に、殺意を抱かせたのだ…! 俺が羊を供えぬ事などクズでも分かる! 俺を陥れようと謀っておきながら、 全てを俺に押し付けようというのか! >妬みを教えるためだ ああ、そうだ! そして俺は妬みを知り、お前を殺した! それでもお前は神に罪はないと言うか! >行ったのはカイン ああ、そうだ! 神の行いにより俺は殺意を抱いた! それでもお前は神に罪はないと言うか! いわば俺とお前は…! 共に、神の謀略によって陥れられた、無様な犠牲者だと言うのに! …貴様を見ているとあの男を思い出す。 神によって不幸を負わされながら、神を愛し続けた男、ヨブをな! 神は他の者どもに教訓を与えんがために、平然と、俺やお前を生贄に選んだ! お前は神の傲慢さ故に、俺の手で『死』そのものを与えられ、 その恨みから、魔界へ堕ちた! そして今、ベルの悪魔として生まれ、神の試練を経て尚、日夜苦難を受け、 死の危機に晒されているのだ! …一哉、それでもお前は、神を愛するというのか! >はい >見れば分かるでしょ 馬鹿者めが…! やはりヨブと同じだな、盲目的に神を信じるとは。 …ではなぜ、お前は魔界に堕ち、ベルの悪魔となった? なぜベルの王としてここにいる? それこそが、お前が自らの死を憤り、強い憎悪を抱いた証拠だ! ああ…そうか。 …それともお前が憎んだのは、神ではなく、この俺だという事か。 フフフ…構わんぞ?強がるな。 そうだ…俺はかつてアベルを殺し、そして今、お前たちを この封鎖へと巻き込んだ張本人だ。 俺がCOMPを開発し、お前たちに渡さなければ、 お前たちは今も安全に、封鎖の外で暮らしていた! さぁ…答えろアベル。 俺が憎いだろう? >ナオヤは家族 (ユズ:そうだよ…。ナオヤさんはカズヤの事、全然わかってない。 生まれる前に何があったかじゃなくて、カズヤにとってナオヤさんは、 …家族なんだからっ!) >もう憎んでいない フン、何を言うかと思えば、見苦しい詭弁を…。 (アマネ:詭弁ではない 憎悪の感情を持っていては救世主になれない) (ユズ:カズヤにとってナオヤは大切な家族) >COMPはチャンス ほぅ…チャンスだと? お前たちの日常を奪い去ったCOMPをチャンスと呼ぶか。 (アツロウ:COMPのおかげで未来を選び取る事が出来た) クククッ…。 本音が出たな、そうだ。 全て俺が勝手に仕組んだのだからな。 いい加減、認めたらどうだ? お前たちは俺の手の上で踊らされた、…駒として利用されたのだ。 だが気に病む事はないぞ? お前たちが俺を憎むのは当然だ、俺は最初からそのつもりなのだからな! お前たちの意思など関係ない…。 俺は、俺の復讐のためだけに、全てのものを利用するだけだ! >ウソつけ 何…?貴様、何を言って…。 >でも決断は任せてくれた ……!…何の話だ、覚えがないな。 (ユズ:ちゃんとカズヤに、自分の意思で、進む道を選ばせてくれてた証拠) ……。 >信じてる >…ナオヤ…… チッ…馬鹿馬鹿しい。 …どこまでもお人好しな連中め、何とでもほざけばいい。 そんな事だから神に利用され、救世主などと呼ばれるのだ。 ……。 お前たちには付き合い切れん。…俺に構うな。 オオクニヌシ:ベルの魔王にして救世主を名乗る者よ。 お前と我は、共に兄によって殺された。 お前が真なる救世主であれば、我はこの国をお前の手に委ねたであろう。 …だがお前は我との約束を違えた。 よってこの国を譲るワケには行かぬ。 …何というザマだ。見苦しいぞ、うろたえるな。 >どうしてここに!? >来てくれたのか 叫ぶな、聞こえている。 オオクニヌシは、ヤツの母親であるサシクニワカヒメの力で復活する。 オオクニヌシ:…永遠の罰を受ける者よ。なぜ、お前がここにいる。 フン、下らんな。 お前ごときに語る言葉はない、…ここで死ね。 ほぅ…俺は一人に見えるか?長く眠り過ぎて目まで腐ったらしいな。 見ろ、ここに集った者たちを。 お前は一哉によって倒される。 …俺の名はカイン。たった今から我が弟アベルに加勢する! …応える義務はない。今はオオクニヌシを倒す事だけに集中しろ! …オオクニヌシよ、問う。 自分を2度も殺した兄を、お前は許したのか? オオクニヌシ:許すも許さぬもない。 事実は事実として受け入れるのみ。 フン…聞こえはいいな。 だがお前はただ逃げただけだ、無様な虫ケラめ。 少なくとも一哉は逃げなかったぞ。俺に殺され、ベルの悪魔に堕ちても、 堂々とこの俺と向き合った。 フン、分からないか? お前より、一哉の方がよほどこの国に相応しいと言っている。 二度も逃げ出した貴様が、一哉に勝てようはずもない。 負けを認めて去るがいい! 下郎が…一哉は俺の弟だ。 お前などに、殺させはしない! ッハハハハハ…!ずいぶんと余裕があるじゃないか。 俺の目的か…。 フン…。どうだ…?少しはやる気が出たか? さぁ…ここまでだ。 一哉に国を譲り、サッサと失せろ。 ……。 フン、さぁな。 …俺にも分からん。ただ気付けばここにいたのだ。 この言葉に嘘偽りはない。 だが…一哉は俺の弟だ、誰にも傷つけさせはしない! オオクニヌシ:永遠の罪人カインよ、我、千年の氷に水滴を見たり。 国創りとは一人では成せぬ、兄弟が揃ってこそ成されるもの。 …救世主を名乗る者よ、国譲りの儀、見事であった! フン、終わったか…。 全く世話の焼けるヤツだ。 >お互い様 >ごめんね フフ…まぁ良くやった。 せいぜい神に仕えて、新たな秩序を世に広めるんだな。 アマネ:…自らの危険を顧みず兄弟を救おうとしたカインの想いに、 オオクニヌシは応えてくれたのでしょう。 神のコマとなって、秩序の世界を創るか……。 だが人間の本質などそうそう変わるわけがない。 どこまで理想を追えるか、俺が見届けてやろう。