暖をとる
最近冷え込みが激しい。
教会は普通の家よりも冷える気がする。
毛布をかぶるだけでは足りないほど。
だから、きっと理由なんて、それだけだ。
お互いに。
魔力供給が済めば、すぐに立ち去るギルガメッシュ。
だが、ここ数日は違った。
俺をしっかりと抱きこんで毛布をかぶる。
初めにそれをやられた時、後処理ぐらいさせろと俺が抵抗したので、
今では、行為後も残る場合はギルガメッシュがその場で
俺のなかに自らが注いだものを掻き出す。そうして、
どろどろに汚れたシーツを剥いで、俺を抱き寄せ毛布に包まる。
頭からすっぽりと毛布をかぶれば、それだけでも暖かい。
隣に自分以外の体温があればなおさら。
だから、俺もギルガメッシュの胸に頬をすりよせ、腕をまわして、脚を絡める。
寒いから。
「……あったかいな。」
「……うむ。」
ぽつりと呟く俺と、鷹揚に頷くギルガメッシュ。
ただそれだけ。あとは訪れる睡魔に身を任せて眠るだけ。
そういえば、昔。まだ魔力供給の手段が血液提供だったころ。
同じように寒い日の朝。目が覚めると自分一人だったが、
なんとなく直前まで、何かが(誰かが?)いたような、そんな気がするときがあった。
もしかするとそれは、ギルガメッシュだったのだろうか。
冷え込みの激しい日。
俺たちは 本能で寄り添いあって暖をとる 獣になる。
なんとなく甘い二人に。
10年近くも四六時中一緒にいれば、仲良くもなるだろうと。
好意があるからこそ、ですが。
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