口付け拒否

　

普段は積極的と言える程に好んでいる口付けを。きっぱりと拒否されて。
おかしいとは思ったが、言うとおりにしてやる気にはなれずに、半ば強引に唇を重ねた。
いつもと違い、固く強張る身体。しっかりと閉じられた唇をこじ開け。顎をきつく掴んで舌をいれる。
いつものように、すみずみに舌を這わせ、ある一点をかすめた時
「〜〜っっ！！」
士郎は声にならない悲鳴をあげ、泣いた。
原因に思い当たり、心底呆れ、唇を解放してやる。途端に士郎は口をおさえ、涙目で睨んできた。
「…口内炎か。」
「だから、よせって　いったんだよ　馬鹿！」
「ならば初めに理由を言えばよかろう、たわけ。」
「言えば馬鹿にするくせに。」
「先か後かの問題だ。結果は変わらん。」
「ぐ」
「貴様を泣かすことはかまわんのだが…痛がられるだけなのは
　面白くはないな。」
「っなんだよそれ。」
「薬は塗ったのか？」
「いい。ほっとけば何日かで治る。」
「口内も貴様が感じる貴重な部分だ。私としては早く治して
　もらいたい所なのでな。せっかくだ、私が直々に塗ってやろう。」
「っいい！！むしろ嫌だ。お前なんかに触られたら悪化する。」
「どうせ、薬を塗る為にそこに触れたくはないし、塗った後も
　気持ちが悪いからと貴様の拒否する理由などその程度だろう。
　却下だ。待っていろ、薬を持ってくる。」
「てめぇ勝手に言ってんじゃ！」

その数分後。実力行使で黙らせ、ついでに啼かせてやったのは言うまでもないことだろう。




口内炎って、地味に痛くて嫌だよね、という話。
数日前に、実に久しぶりに口内炎ができて、口を濯ぐのが
辛かったので、口内炎でディープキスって辛いだろうなぁと
思ったのでした。放置で４日くらいで治りました。薬とか塗った
ことはないけど、塗れば１日２日で治るのかな。
口付けはアーチャーも気に入ってるので、思い切り拒否されて
おもしろくなかったのでした。大人気ない…





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