「始まりがあればいずれ終わりが訪れる」 幻想水滸伝3 ユーバー×ルック





ここ数年は、寝ても覚めてもあの夢ばかり。 「……うんざりだ。」 目を開けることで自分が眠っていたことに気付いたルックは、横になっていたベッドから上体を起こしてそう吐き棄てた。 片手で顔を覆う。 真の紋章が見せる記憶。秩序の勝利。沈黙。灰色の世界。 皮肉な事に真なる風の紋章を使いこなせるようになると共に、頻繁にその記憶を見せつけられることになった。 部屋の中はまだ暗い。夜明けまでまだ時間はあるだろう。 魂と融合した真の紋章。 それはルックに自ら死ぬことさえ赦さなかった。 その瞬間の絶望を今も覚えている。 紋章がルックの身体を生かそうとするのだ。 それからは、この紋章を砕く方法を切に求めた。 「始まりがあればいずれ終わりが訪れる。」 ぽつりと呟く。それは世界の摂理。 だが、あんな未来を認めることは出来ない。 たとえ自分が世界中の、生あるものたちにとっての悪鬼になろうと、今回のチャンスは逃せない。 決行も目前。必ずやり遂げてみせる。 ルックは右手を握りしめた。 自分の魂ごと、真の紋章を砕けるのなら、願ったりだ。 「お前には感謝しているよ、ユーバー。」 ルックは突如部屋に現れた闇に、驚くことなく声をかけた。 闇はすぐに人の形をとり、ルックに歩み寄る。 黒衣からは血の匂いが漂い、ルックは眉を顰めた。 契約によって喚びだした人外のもの、ユーバーに改めて釘を刺しておこうと口を開いたルックの唇は、 身を屈めたユーバーの唇によって塞がれる。 鉄錆びた血の味。不快感しか生まれない。 だが今のルックには、その『不快』だけが現実感を与えてくれた。 ユーバーの意図は読めない。だが抵抗せず目を閉じると、そのままベッドに押し倒されて口内を貪られる。 「ん……」 喉を鳴らして溢れた唾液を飲み込む。 人では無いもの同士、何も生み出すことのない行為。 唇が離れ目を開くと、暗闇に浮かぶいくつかの色。 赤と銀のオッドアイ。流れ落ちる金の髪。 「眠れないのだろう?」 ユーバーが囁く。 「お前がぼくに、与えてくれるとでも?」 ルックが問い返せば、ユーバーは目を細めて笑う。 「それを望むのなら、おれは叶えよう。我が盟友よ。」 異形の男はそう告げて、ルックの夜着に手をかけた。 ルックは答えずただ目を閉じる。 そして、血の匂いを纏った男に、身体を暴かれた。 身体の疲労はルックを深い眠りへと誘う。 それに抗うことなく身を委ねたルックの耳に、ユーバーの声が届く。 「愚かで哀れな人の子よ……お前の望みは叶うだろう。おれが手を貸すのだからな。」 そうして髪を梳く男の手を感じながら、ルックは意識を手放し、 束の間の、死の疑似体験である眠りに落ちていった。 幻想萌えが再び。時折やってくる。 3の、破壊者萌えというか。 3のユーバーにハマって、ルックは2から好きだったのでまぁうん。ハマったよ。 なんとなくルックに甘いユーバーがツボったんだ。ルックというか味方に甘い、ですな。 3はコミック化が神でした。 そんなわけでコミック設定もまじってます。原作設定も。あとは妄想でカバー。 ルックの為に1つのゲームをつくってくれたんだと思うと、凄いよね。 賛否の否のが多そうだが、俺は好きだ。