「愛してるなんて、恥ずかしいから言わないよ」 Fate 弓士





「どうした。言えばイかせてやるぞ。」 「っ、ぃ…やだ…っ」 「楽になりたくないのか。この状況を愉しんでいるというならば話は別だが。」 「だ、れが…だ……ばかっ!」 魔力供給の為、俺はアーチャーに抱かれている。 いつも通り、アーチャーが俺の身体を解して、突っ込んできて。 そこまではいつも通りだった。 今、俺の中心はアーチャーの手によって戒められている。 根元をおさえられたまま、内部を擦り突き上げられて。 俺はショート寸前で、なのに、イけない。 アーチャーは、ある言葉を言えばイかせてやると言った。 「別に深く考えることはあるまい。ただ言えばいい。本心でなかろうと構わんぞ。」 言いながらアーチャーは俺を追い込む。 言ってることは解る。でも俺は首を振る。言いたくない。 強情な奴だ、そう言って笑うアーチャーに殺意が芽生える。 そうだ。俺自身よくわからない感情、その言葉をこんな方法で言わされるなんて冗談じゃない。 アーチャーの動きは容赦のないものになっていく。 駄目だ、目の奥、火花が散って。 白く。 しろ く。 「―――――っ ァ!!!!」 「む」 ひくんと身体が痙攣した。 いつもよりもずっと強い快楽。心臓がうるさい。熱い熱い熱い。 「後ろだけで達したか。大したものだな。」 呆れたような、感心しているような。どちらにもとれるアーチャーの呟きが耳に届く。 じわりと目尻から熱いものが込み上げてきて、ソレは滑り落ちた。 「お、れは……っ」 息も絶え絶え、でも伝えないと。 口に溜まった唾液を飲み込んで、目の前の男を睨みつけて、吐き出した。 「俺は、お前に嘘を、つきたくない。」 「嘘、か。」 アーチャーは表情を消して呟く。 「そうだ。俺は、お前が、大嫌いなんだから…!」 そう言った俺をアーチャーは暫く見ていたが、ふいに肩を揺らしてくつくつと笑い始めた。 繋がったままの俺にも身体の揺れが伝わってきて、イったばかりの身体には辛い。 「なん、だよっ」 「いや……そうだな、私もお前が『大嫌い』だな、と。」 アーチャーは言う。言葉と表情が合っていない。 つまり、優しい顔で。 自分の頬が熱くなるのを感じた。誤魔化すように俺は言う。 「それより、続き、しないのか……まだ、渡せてないぞ。」 「ああ、お前が先にイったからな。」 「誰のせいだよ。」 「私のせいだと?」 「そうだろ。」 「そうか。」 ひとしきり無駄口を叩いた後、アーチャーは再び動き始めた。 今度はちゃんと、同時に終わることができるように。 いつか、自分自身でちゃんと気付くまで。 それでなくても。 『愛してる』なんて、恥ずかしいから言わない。 ツンデレ?なんかテンプレなネタになってしまいました…。 リクエストありがとうございました!