「ほら、見て。ハートマーク」 Fate 言切





肌を合わせることに意味など無い。 しいて言えば、言峰綺礼にとってソレは性欲を発散する為の手段だった。 同じ男同士であるならば尚更。 綺礼には元々薄い性欲、決まってソレを望み、行為を始めるきっかけはいつも『衛宮切嗣』だった。 なぜ、よりにもよって『衛宮切嗣』がそれを求める相手が自分なのか、綺礼には理解できない。 今日もまた、切嗣が脚を開き、綺礼は拒むことに無駄な労力を使うことを良しとせずその行為を受け入れた。 「っ…」 腰を突き上げると、くぐもった声と共に肩に痛みが走る。 切嗣は綺礼の肩へと歯を立て、声を堪えていた。 特にこれといって感慨もなく、綺礼は腰を動かし続けた。 「ほら、見て。ハートマーク」 底抜けに明るい声で、そう切嗣が話しかけてきたのは、行為を終えて暫くしてからのこと。 綺礼が眉を寄せると、切嗣はほら、と綺礼の肩を指でなぞる。 先程しきりに切嗣が噛んでいた場所、だ。 時折角度を変え、何らかの意図を持って動いていると感じたのは錯覚ではなかったらしい。 ああ、君からは見えないか。残念だなぁ、うまくいったのに。 楽しそうに語りかける切嗣に、綺礼はさらに眉をひそめて、 「相変わらず不可解な男だな、衛宮切嗣。」 吐き捨てるように言って体を起こす。 「君ほどではないと思うよ、言峰綺礼。」 切嗣も笑みを湛えたまま、戯れに綺礼の首にかかる十字架を指先で撫で、ひっそりと言った。 ほのかに漂う煙草の匂いは、どこか甘かった。 綺礼がこの台詞言ってたら、ただのギャグだよなと思いました。 なんというか、えろは切り離せない言切。 あと遊都さん宅の言切の影響を受けまくってることを否定できない。 リクありがとうございましたー!