ヨ―喜んで盾になろうと思えた Fate 弓士弓





俺の隣で静かに穏やかに眠るアーチャーの顔に、そっと触れる。 サーヴァントは眠る必要が無い。 それなのに、性行為の後は俺に付き合うように実体化したまま隣で眠ってくれる。 身体を少し起こして閉じた瞼に口付ける。 頬を辿って小さく出した舌で唇を舐めた。 アーチャー。 俺の未来。 俺であって俺じゃない、衛宮士郎。 座に縛られたアーチャーはもう変わることのない事象だという。 それでも俺は、自分がまだ試してもいないうちから諦めたくはなかった。 アーチャー自身にどうにもできなくても、もしかしたら俺ならどうにかできるかもしれない。 もし無理で、無駄に終わったところで、アーチャーには何の影響もないだろう。 俺がどうにかなるだけで。 だから構わない。俺はどうなったって構わない。 喜んで盾になろうと思えた。 「っん…!」 ふいに後頭部を引き寄せられて、俺の唇は深くアーチャーの唇によって覆われる。 抱き込まれて呼吸を奪うような激しい口付け。 「また、馬鹿なことを考えていたのだろう。」 唇を押し付けたまま、アーチャーが喋る。 吐息がくすぐったい。 「さあな。」 俺はそう言って自分からアーチャーの唇に吸い付いた。 負けじと俺の口腔をアーチャーの舌が弄る。 互いの唾液が溢れ、飲み込み、啜り合う。 押し付けあった下肢は熱を持ち硬くなっていく。 アーチャーの手が俺の後ろに回される。 尻を割り後孔へ。そこはまだ充分に濡れて、くちゅりと音を立ててアーチャーの指を迎え入れた。 俺は喉を鳴らして催促するようにアーチャーの首に腕を回す。 アーチャーは俺の足を掴み、広げて、充分な硬さを得た性器をすぐに俺のなかへと突き入れてきた。 「あ、ぁ…っ」 満たされる感覚に俺は素直に声を上げた。 「士郎…」 熱っぽく名前を呼ばれて、見つめられて。 堪らなく自分が幸せだと感じる。 だから俺はたとえアーチャーが望んでいなくても、お前の為の盾になろう。 そう自分に誓うんだ。何度も何度も。 意識を手放す直前に見たアーチャーの顔は、今にも泣き出しそうな子供みたいで、少し切なかった。 アーチャーは少しもそんなこと望んでませんよ、という。 本当はもっと真っ当に、自分とは関わり無く生きて欲しかったんだけど、 でもアーチャー自身も士郎のこと好きになっちゃったからどうしようもないと。 精神士弓大好き。