「ここまでのようだな。」 実にあっさりとアーチャーは言った。 「そうだな……最後まで未熟で悪かった。」 相対する士郎もあっさりと答え、軽く謝罪する。 聖杯戦争後の契約から別れまでの時間は、果たして長かったのか、短かったのか。 アーチャーの姿は半ば透明に。 士郎は既に決意し、笑う。 「またな、アーチャー。俺はお前が好きだから、絶対に会いに行く。」 高らかに、士郎は胸の内を宣言した。 それを受けたアーチャーは目を閉じ、 「たわけ。」 諦めたように、受け入れるように、苦く笑い、 空気に融けるように、姿を霧散させた。 辺りは朝焼けの橙に染まっている。 それはまるで恋の色。 これがはじめての士郎の告白でした、とか。