「……――。」 「人に突っ込みながら溜息はないだろ。失礼なやつだな。」 言葉の通り、アーチャーの性器は今、士郎の後孔に包まれている。 しっかり慣らしたそこは女の性器のようにしっとりと濡れ、それでいてきつく締め付けてくる。 なんということはない。目的はただの魔力供給だが、問題なのは何故聖杯戦争が終わった今も、 現界する為にこんな真似をすることになったのかということ。 現界を望んだのは士郎だが、それに応えたのは間違いなくアーチャー自身だ。 「すまないな、マスター。未だに心の整理がつかなくてな。」 アーチャーは投げやりにそう言って士郎の足を抱えなおす。 「……『衛宮士郎』でなくて悪かった、っていうのもいい加減言い厭きたんだけどな。」 『言峰士郎』はそう吐き捨てて、さっさと動けとばかりに中にあるアーチャーの熱を締め付けた。 そう。アーチャーは言峰士郎のサーヴァントとして聖杯戦争に喚ばれ、 紆余曲折の末、勝ち残ってしまった。 任務失敗にして完了――そんな言葉が浮かぶ。 過去の自分の抹消という切なる願いは、喚ばれたその日に今回の召喚では決して叶わないものと突きつけられ、 アーチャーを絶望させた。その時点でもう聖杯戦争などというものはどうでもよかったのだが。 言峰士郎であっても、その中に存在する『士郎』の歪みに気をとられ、気がつけばある種の情がわいてしまったのだろう。 「何故、貴様が私などに執着するのか、解せんな。」 アーチャーはそう呟き、返答はいらないとばかりに強く士郎の中を穿ち始める。 士郎は答えようとしたものの、波に浚われ、アーチャーにしがみついて快楽に身を委ねた。 滞りなく魔力は士郎からアーチャーへと渡され、アーチャーは士郎から離れる。 情事の熱はもう感じられないアーチャーの背中に、士郎は言葉を投げかけた。 「お前の生き方は、痛くて、でも羨ましいと思ってしまったんだから、仕方ないだろ。」 それを聞いたアーチャーは目を僅かに見開き、振り返ったが、 士郎は疲労の為か、目を閉じて静かな寝息を零していた。 たわけと苦々しい声が部屋にぽつりと落ちた。 普通の士郎より言峰士郎の場合は、→弓が強くなるなぁ。